怪物ルーキーが4打席連続三振の屈辱を味わった。同点の8回2死一、二塁の絶好機で、阪神の5番佐藤輝に最後の打席が回ってきた。堀に4球直球を続けられ、カウント2-2。最後は外のスライダーに、バットは空を切った。悔しさを押し殺すように、うつむきながらベンチへ戻った。

この日はプロで初めて「5番右翼」で先発。矢野監督はジグザグ打線を組む狙いを問われ、「まあ、それもあるし、俺の中では他にも」と起用の意図を明言しなかったが、初5番は苦い体験となった。

初回、1点を先制直後の無死満塁で上沢と対した佐藤輝は、最後はフォークに空振り三振。3球で封じられた。3回の第2打席は3球で追い込まれると、内角低めのナックルカーブに空振り三振。6回も高めの直球に空振り三振と、相手エースに翻弄(ほんろう)された。「自分のバッティングを心掛けてしっかりやっていきたい」と乗り込んだ初めての札幌は、プロ初の4三振に終わった。

6日ソフトバンク戦(甲子園)では、3打席連続空振り三振後の最終打席で、交流戦トップに並ぶ5号本塁打を放った。フルスイングするからこそ、本塁打を量産できる。三振はその裏返し。すべての経験が血肉になるはずだ。