日本ハムは9日、「日本生命セ・パ交流戦」の阪神2回戦(札幌ドーム)で、今季3度目の2桁失点を喫し大敗した。先発の加藤貴之投手(29)が5回途中でKO。守備では2回に近藤健介外野手(27)、5回には三塁を守っていた郡拓也捕手(23)が失点につながる悪送球と、守りから破綻した。チームは2連敗で2カードぶりの負け越し。今季ワーストの借金12へ逆戻りした。

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セ首位を走る猛虎の勢いに、完全にのまれた。日本ハムは守備がほころび、7点差の大敗。栗山監督は「野球にはミスはつきもので、それを試合の中で取り返していかないといけないんだけど、今はそれが出来ていない」と、冷静に現実を受け止めた。

1点リードの2回、まずは選手会長の近藤が、痛恨のミスで天を仰いだ。無死二塁から、阪神佐藤輝の飛球を捕球したまでは良かったが、右翼の守備位置から三塁へ向けて、まさかの大暴投。送球は三塁側のカメラ席に飛び込み、同点のタイムリーエラーとなった。1回に先制の適時二塁打を放っていた近藤は「タイムリーを打ったことより、守備で足を引っ張ってしまった」と猛省した。

1-5で迎えた5回は、1死満塁で、三塁手として出場してた郡が、二塁へ悪送球。本来は捕手。5年目で交流戦初スタメンだったが、悔やまれるプレーになった。

チームは前日8日に、俊足強肩で売り出し中だった五十幡と、不調から復帰したばかりの4番中田が相次いで負傷退場し、戦線離脱。なかなか、チームが形になってこない。巨人戦で久々にカード勝ち越しを決めて臨んだ阪神戦だったが、チームは2連敗。「なかなか、前の流れを生かそうとすると、今年はうまくいかない。前後際断の方がいいのかもしれない」と指揮官の苦悩は深いが、「3連敗だけは避けないと」と、立ち止まってばかりもいられない。2カードぶりの負け越しが決まり、今季最多の借金12に逆戻り。5位とのゲーム差は、今季最大の4・5に広がった。【中島宙恵】