世界一からセ界一や!東京五輪で金メダル獲得を目指す侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)が16日、都内のホテルで会見し、代表に内定した24選手を発表した。阪神から青柳晃洋投手(27)と岩崎優投手(29)がともに初選出。青柳はロングリリーフ、岩崎は貴重な左腕として強力ブルペン陣の一角を担う。ドラフトでは青柳が15年5位、岩崎が13年6位と下位指名から日の丸まで上り詰めた。悲願のリーグ制覇の前に、虎の下克上侍が金メダルを持ち帰る。

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虎の首位独走を引っ張る青柳、岩崎が東京五輪への切符を手にした。午前11時からの会見で、侍ジャパン稲葉監督から2人の名前が読み上げられた。ともに日本代表初選出。甲子園室内練習場での練習後に取材に応じ、率直な思いを口にした。

青柳 代表に入るのは初めてなんで、驚いているのが一番。僕は知名度ないんで、少しでも覚えてもらえるように頑張りたい。

岩崎 たくさんピッチャーがいる中で、選んでもらってすごく光栄。金メダルを取れるように、自分の力をしっかり出して貢献できるよう頑張っていきたい。

ともに高校時代甲子園出場なし。ドラフトでは青柳が5位、岩崎が6位指名。下位指名からはい上がり、日の丸を背負うまでに成長した。矢野監督は「青柳もコントロールが良くないとか、フィールディングできないとか、日本代表に入るというのは夢にも思ってなかった。優(岩崎)も先発として若い頃はやってたけど、そこではなかなかね。夢があるというか、2人だから伝えられるメッセージはある」と大舞台での奮闘を期待した。

青柳は今季10試合で5勝2敗、防御率2・17。下手投げに近いサイドスローから繰り出す直球は140キロ台中盤で、スライダー、ツーシームの制球もさらに磨きがかかり、安定感は抜群だ。「僕自身エリートでもないですし、(野球で)苦手なことが多いんで。でも代表選手になれるっていうのは控えの選手とか、勇気になるかなと」。野球に打ち込む少年少女の希望となるべく、地元横浜スタジアムで腕を振るつもりだ。

一方の岩崎は4日に疲労蓄積で出場選手登録を抹消されたが、今季もセットアッパーとしてフル回転。ボールの出どころが見にくい独特のフォームを武器に、27試合でリーグ2位の18ホールドと奮闘。虎が誇る“変則”の両輪は、初の国際大会へ気合十分だ。

岩崎 自分としてはオールスター、オリンピックまで1点もやらないぐらいの気持ちでやっていきます。

青柳 (変則で)目先を変えるという部分で場面を問わずいけるように、ランナーありでもなしでも何でもいける準備はできている。

青柳が世界の強豪を手玉に取り、岩崎がピンチを制圧する。悲願のリーグ優勝の前に、金メダルの手土産を持ち帰るつもりだ。【中野椋】

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