「鷹の怪物」が「令和の怪物」を打った。ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が、初対戦のロッテ佐々木朗希に洗礼を浴びせ、プロ初黒星を付けた。

まずは初回2死。初球の153キロ直球をとらえ、軽々と左中間席へ運ぶ先制の17号ソロ。同点の6回1死三塁では、フォークを鮮やかに中前に運び、これが決勝打になった。パワーと技、いずれも球界トップの力を見せつけた。「たまたまです。昨日寝れなかったんで。寝れたんですけど、寝れんくらい自分にイラ立ちがあった。打てて良かったです」。前日は同点の8回1死満塁で打てず引き分け。勝ち切れなかった悔しさを、バットで晴らした。

21日の球宴ファン投票の最終中間発表で、パ・リーグ最多得票を得た。この日は佐々木朗と注目の“怪物対決”だったが、自身の打撃に集中したという。「あんまり相手どうこうというより、自分のいいバッティングをできるようにという方が大きかった」。その結果が3打席の対戦で2安打2打点。それでも打席からスケールの大きさを感じたようで、「いやもう、どんどんどんどん良くなっていくんだろうな。そういう感じですね」と高いポテンシャルに感心しきりだった。

9回には5番手右腕の横山からも、左翼席へダメ押しの18号ソロで猛打賞。昨年9月10日の楽天戦以来の1試合2発で、パ・リーグの本塁打争い単独トップに浮上した。月間6発もリーグ最多で、直近4戦4発の量産態勢。東京五輪の侍ジャパンにも選出されている男が、乗りに乗っている。

チームは引き分けを挟み、3週間ぶりの2連勝。3カードぶりの勝ち越しも決めた。楽天をかわして0差で2位に再浮上し、工藤監督も「弾みがついてくれればいいなと思います」と会心だ。25日からは舞台を仙台に移し、その楽天と3連戦。首位オリックスにも1・5差に迫った。勢いに乗って、指定席を奪いにいきたい。【山本大地】

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