阪神西勇輝投手(30)の通算100勝は、お預けになった。8回3失点(自責1)と先発の役割を十分果たしたが、打線の援護に恵まれなかった。

味方のミスも出た立ち上がりに付け入られた。初回先頭桑原を二失で出し、何とか2死までこぎ着けた。だが、4番オースティンに右翼ポール際へ先制2ランを被弾。6回にも1死一、二塁からオースティンに3点目の適時打を浴びた。

それでも阪神ベンチは西勇にかけた。直後の攻撃の先頭は西勇。代打も考えられたが、矢野燿大監督(53)は続投を選択した。空振り三振を喫したが、2度の強いスイング。何としても出塁し、勝ちたい意欲を体で表現した。指揮官は「(点の)取られ方も悪いわけじゃない。なんとか打線が奮起してくれたらというところで。まだまだ余力はあったんで」と説明。右腕もその期待に応え、7、8回とも無失点に抑えて反攻を待った。

エースはいつも、仲間を気遣う。初回に失策した糸原にはすぐ声をかけた。打者を三振に斬れば、捕手の梅野をたたえるかのようにグラブを突き出した。0-3で敗れた試合後は、梅野をねぎらうように背中をポンとたたいた。最後は今季最多の1万5011人の甲子園へ足を運んだファンの応援に感謝し、手を振った。

平成生まれの100勝達成は巨人菅野だけ。2人目のメモリアル勝利は、次回こそつかみ取る。【前山慎治】

阪神ニュース一覧はこちら―>

セパ勝敗表はこちら―>