悩めるソフトバンク打線が久々の爆発で、連敗を「4」で止めた。5月7日西武戦以来の「2番」に入った柳田悠岐外野手(32)が、初回に先制の適時二塁打。「まず先制点を取ることができて良かったです。三森が出塁して、よくホームまでかえってくれました」。この一打で打線に火を付けると、5月1日オリックス戦以来、約2カ月ぶりの先発全員安打で3位で並んでいた西武を圧倒した。

打線がここまで苦しんでいた。5月は2割7分1厘あった月間打率が、6月は2割1分を切るほどに急降下。この4連敗中はすべて2得点以下で、投手陣を援護できなかった。柳田が2安打で引っ張れば、4番栗原陵矢外野手(24)は10号ソロを含む2安打2打点。「北九州の鬼」である甲斐も、前回開催から2戦連発となる8号ソロを放った。侍トリオがそろい踏みの活躍で、悪い流れを打破した。

この日は福岡県内の主催試合で、5月12日ロッテ戦以来、1カ月半ぶりの有観客試合となった。「鷹の祭典」で配られたユニホームで、スタンドは真っ赤に染まった。勝率5割から大きな1勝で再び貯金1。6勝11敗6分けと苦しんだ「魔の6月」を白星で締めた。工藤公康監督(58)は「ナイスゲームでした。本当にうちの選手は分かりやすいなと思うところもあるんですけど…。ファンのみなさんが来ているというだけで力を出せたと思う」と、ユニホームのようにほおを赤くして喜びをかみしめた。【山本大地】

▽ソフトバンク今宮(5回の左前適時打に)「打ったのはカットボール。松田さんが三塁打でチャンスを作ってくれたので、かえすことが出来て良かった」

▽ソフトバンク甲斐(5回の8号ソロに)「真っすぐを捉えることが出来ました。ピッチャーを援護できて良かったです」

▽ソフトバンク栗原(4回に10号ソロを放ち)「打ったのは真っすぐです。追加点を取ることが出来て良かった」

▽4ソフトバンク松田(3回の9号2ランに)「打ったのはスライダー。巨(東浜)を援護できて良かった。球場も心も体もユニホームも真っ赤です。今日はみんなでしっかり攻撃できた4