DeNAのクローザー三嶋一輝投手(31)が2日前のリベンジを果たした。9回に登板し、最速154キロで無安打1四球の無失点。「やっぱり早くリベンジしたい気持ちがありましたし、同じチームにやりかえさないといけないと思っていた。チームメートに感謝したい」。最後の打者近本光司を遊飛に打ち取り、勝利を決めると、伊藤光捕手と抱き合った。

眠れない夜を過ごしていた。12日の3連戦の初戦は、3点リードの9回に登場。6安打4失点と打たれ、今季4敗目を喫した。「一昨日3点差をひっくりかえされて。寝られなくて」と吐露した。休養が必要と判断され、前日は今季初めてベンチ入りを外れていた。

前半戦のうちに阪神にやり返すためには、この日に登板するしかなった。セーブ機会に登板させてくれた、仲間への感謝を胸にマウンドに上がった。聞こえてくるのは、阪神ファンの拍手と応援バットの大音量だ。「僕は一昨年、甲子園で2回サヨナラ食らっていて、それを思い出した。阪神ファンは熱い。拍手といい激励といい。光さんから登板前に『お前ファンが増えたな』と言われました。おかげさまでリラックスできました。気持ちをほぐしてれた」。土壇場でアメリカンジョークを飛ばしてくる強心臓の先輩捕手に感謝した。

信頼を揺るがすことなくマウンドに送り出した三浦監督も、この日の投球に安心した様子だ。「初戦でやられたらやり返すという強い気持ちでマウンドに上がって。表情もボールもよく、よく踏ん張ってやり返したと思います」と絶賛した。首位阪神にカード勝ち越しを決めて、前半戦を終了した。「この3連戦を見ても、首位阪神を相手にも戦えることを選手に自信にしてもらえればいい。後半戦もこの戦いを続けていく。反省点もあるので、課題をクリアして、後半戦いい戦いができるように」。クローザーのモヤモヤを解消して、球宴、五輪の中断期間に入れるのは大きい。【斎藤直樹】