若虎がフレッシュオールスターゲームで後半戦に向けてアピールした。全ウの先発、阪神西純矢投手(19)は2回無安打無失点、4奪三振の完全投球。最速151キロをマークした。前半戦で初勝利を挙げた右腕はフォーム修正の成果を示し、優秀選手に選ばれた。試合は全イが競り勝ち、通算成績は全ウの29勝21敗6分けとなった。新型コロナの影響で2年ぶりの開催だった。

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雨降る松山で、西純は豪快に腕を振った。

「自分でもこんなにいいピッチングができると思っていなかったんで、すごい良かったかなと思います」

武器の直球で押し「K」を積み重ねた。全ウの先発を託され、初回1死からDeNA森、日本ハム万波を連続三振。2回は4番の西武渡部に全球直球で挑み、3球目に最速151キロを計測。5球目の高め直球で三ゴロに仕留めると、後続をまたも連続三振。「ここ最近、ずっと三振を取るということを意識してやっていて、それができたんじゃないかなと思います」。

2回を完璧に抑え、4奪三振。試合後にはうれしい瞬間も待っていた。「自分がまさかとれると思ってなかったんで、すごいうれしいです」。初の晴れ舞台で優秀選手を受賞。悩みや迷いを乗り越えて、スター選手への第1歩を踏んだ。

今季は5月19日のヤクルト戦でプロ初登板初勝利を挙げた。しかし約1カ月後の6月13日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で5回9失点と炎上。憧れのツインズ前田を模していたフォームを見直した。「やっぱり誰かのマネとかじゃなくて自分の(フォームを)持つ。そういうことを意識してやってます」。自分の原点、創志学園高時代の映像を見直した。上げた左足にグラブを「ポンッ」と当てる動きを外してシンプルなフォームに。

「しっかり自分の持ち味に気づけたというか。キャンプから打たせて取るピッチングって言ってやってたんですけど、やっぱり自分は三振取るピッチングが持ち味」。

自分の武器に気づき、また成長出来た前半戦。「後半戦はしっかりと1軍でチームの戦力になれるようにやっていきたい」。松山の夜を自信にして、五輪ブレークが明けた頃には、1軍の先発争いに割って入る。【磯綾乃】

 

<表彰選手>

▽最優秀選手(賞金100万円)ヤクルト内山壮

▽優秀選手(賞金50万円)ロッテ小川、阪神西純