仙台で球宴1号や! 「マイナビオールスターゲーム2021」の第1戦が16日、メットライフドームで行われ、ファン投票で初選出された全セの阪神佐藤輝明内野手(22)が夢の舞台を満喫した。

ホームランダービーでは西武山川の前に1回戦敗退となったが、トップクラスの打球速度168キロをマーク。試合は4打数無安打で終わったが、広島鈴木誠ら球界を代表するスラッガーと交流し、充実の時間を過ごした。

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マスク越しに充実の表情がにじんだ。初の球宴を終えた佐藤輝は、ベンチ前で全セのナインを迎え入れた。「皆さん、楽しそうにプレーしてますし、すごくいい雰囲気だと思います」。シーズンではライバルだが、グータッチで勝利を分かち合った。

濃密な1日となった。試合では、パの強力投手陣が立ちはだかった。第1打席はオリックス山本。3球で追い込まれると、最後は外角153キロ直球に空振り三振に倒れた。「真っすぐも速くて、フォークとか全然当たらなかったんで、やっぱりすごいなと」。フルスイングを貫いたが、4打数無安打2三振。「しっかり振っていったんですけど、いいボールが来たんでしょうがない(笑い)」。苦笑いも出たが、力と力の勝負を楽しんだ。

ホロ苦の球宴デビュー戦。一方で学び、楽しんだ。試合前のホームランダービーでは、先攻の山川が驚異的なペースで9本を放ち、思わず「すげえ」とうなった。

「すごいプレッシャーだったんですけど…。嫌だったです(笑い)。負けちゃいましたけど楽しかった」

4発で及ばなかったが右翼席へ運んだ2発目は、この日トップクラスの打球速度168キロをマーク。4本目のバックスクリーン右への1発は、136メートル飛ばす特大弾。「らしさ」は存分に発揮した。

7回裏の守備から退くと、ソフトバンク柳田とテレビインタビューに出演した。「雲の上の存在というか、すごい方なので勉強することばかりです」と言うと「本当になんであんな飛ぶんかなっていうふうに、すごい研究してます」と返され思わず笑顔。パのスラッガーたちからも“モテモテ”だった。

試合前にはヤクルト村上、巨人岡本和と談笑。広島鈴木誠とはキャッチボールで親睦を深めた。侍ジャパンの4番候補に説かれたのは準備の大切さ。「周りはすごい人だけなんで。いろいろ聞き出して、自分の勉強材料にしていければ」と2戦目も“取材”意欲十分だ。「変わらず強いスイングというところだけ、心掛けてやっていきたい」。さあ、夢の祭典2日目。観戦予定の宮城の祖父母に、お預けとなった球宴1号を届ける。【中野椋】