東京オリンピック(五輪)の中断期間を終え、13日からリーグ戦が再開する。

<オリックス>ラオウ杉本ら残留組元気な姿

投打の主軸である山本、吉田正が東京五輪で活躍している間に、19歳左腕宮城、ドラフト3位の来田、ラオウ杉本ら残留組が元気な姿を見せた。この期間でロメロは一身上の都合で退団したが、新助っ人勢も着々と調整を進めた。先発として期待されるスパークマンはエキシビションマッチで結果を残し、後半戦の先発枠として期待される。また、助っ人野手のラベロは隔離期間を終え、12日に入団会見を行うなど、首位キープへしっかり戦力を整備した。

<楽天>オコエに石井監督も「いいセンス」

6年目のオコエが存在感を示している。2月に左手首を手術。7月24日の侍ジャパン戦で約2年ぶりに1軍合流し、同学年の森下から二塁打を放った。広い守備範囲と1つ先の塁を狙う積極姿勢が光る。石井GM兼監督もアピールした若手の1人に挙げ「素晴らしいプレーヤーになる可能性を秘めた選手。腐らずに足元を見てやっていけば、いいセンスを持っているので期待しています」。外野はリーグ打点王の島内、同打率2位の岡島が不動。一角を崩せるか。

<ロッテ>佐々木朗希エキシビで158キロ記録

佐々木朗が勢いを増してきた。エキシビション2試合では直球が全て150キロ以上で、最速158キロもマーク。15日のオリックス戦(ZOZOマリン)に先発後、中10日以上の登板間隔になる予定だが、ここから白星を増やしてきそうだ。投手では新外国人左腕ロメロも合流。打線ではマーティンの1軍合流が8月末頃になる見込みで、エキシビションで多く起用された山口、和田らにもこれまで以上に結果が求められる。レアードが好調を維持しているのは頼もしい。

<ソフトバンク>ローテーション固められず

BC・茨城から右打ちの外野手アルバレスを獲得。だが、先発右腕のレイがコロナ禍による家庭の事情で退団した。エキシビションマッチではリチャードが全9試合で4番に入り2本塁打。だがその他チャンスをもらった若手で目立った活躍を見せた野手は少なかった。先発投手陣は五輪に出場した千賀、マルティネスの状態次第の側面もあり、ローテーションを固められないまま。この期間に先発機会のあった笠谷やスチュワートが台頭すれば厚い陣容になりそうだ。

<西武>巻き返しに主砲山川の復活欠かせず

後半戦巻き返しには、山川の復活が欠かせない。開幕直後に左太もも裏を痛め離脱。復帰後も「ごまかしで数字が出なかった」と振るわなかった。中断期間を“ミニキャンプ”と位置づけ下半身強化に努めた。3番森とともに、破壊力を取り戻し4番として定着できれば、ベテラン栗山、中村の負担を軽減。打線の厚みも生まれる。けが人続出となった前半戦から戦力が戻り、仕切り直しの後半戦。山賊が得意の8月攻勢を仕掛け、上位浮上のきっかけをつかみたい。

<日本ハム>大田が1軍返り咲きへアピール

最下位からの巻き返しへ、復調気配漂う打線が好材料だ。エキシビションマッチ9試合で、チーム打率は2割9分3厘、得点圏打率3割1厘。栗山監督は「下位打線が打つからなんだよ」と要因を説明し、下位からのつなぎが成績に表れた。中でも、大田は前半戦に不振で2軍に降格するも、エキシビションマッチで4試合で12打数6安打3打点だった。1軍返り咲きへ当確ランプをともす活躍を見せた。上位猛追へ、頼もしいピースがカギを握る。

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◆プロ野球中断メモ 今季は東京五輪開催のため7月15日から8月12日まで公式戦中断期間を設けている。大イベントや災害などで日程が変更、中断された例は過去にあるが、五輪期間中にシーズンを中断するのは今季が初めてだ。オールプロで臨んだ04年アテネ、08年北京は五輪期間中に公式戦を開催。五輪に派遣された選手には成績などで不利にならないよう特例措置をとっていた。