東京オリンピック(五輪)の中断期間を終え、13日からリーグ戦が再開する。

<阪神>岩貞がエキシビ4戦連続無失点と復調

中継ぎ陣の整備にメドが立った。前半戦不調だった中継ぎ左腕岩貞がエキシビションマッチ4戦連続無失点と復調。アルカンタラを先発から中継ぎに回した。8回の男岩崎は東京五輪で3試合厳しい場面をくぐり抜けた。前半戦終了時に疲れが見えていた新人の佐藤輝、中野も中断期間を利用し、状態を整えられた。大山一塁、佐藤輝三塁の守備陣形も試すなど、有事への備えもできた。エキシビションマッチ後半に打線が湿ったのが気がかりだが、投手力で首位を守る。

<巨人>直江がエキシビ先発ローテに加わる

エキシビションマッチは4分け3敗でプラス材料は得た。主力では4番岡本和が全試合出場で3本塁打と好調維持。投手陣は直江がアピールに成功し先発ローテに加わった。新外国人としてスコット・ハイネマン外野手(28=レッズ傘下3AルイビルFA)を獲得し、9月中に合流すれば選手層に厚みが増す。左手中指骨折と同爪根(そうこん)脱臼で離脱していた吉川は再開初戦から先発復帰予定。左第十肋骨(ろっこつ)骨折の中川や再調整中の菅野らも状態を上げている。

<ヤクルト>ルーキー木沢が猛アピール成功

木沢が猛アピールに成功した。前半戦は1軍登板なし。エキシビションマッチでは、合計2試合で4回を無失点6奪三振。150キロ超えの直球で打者を押し続けた。首位阪神と2・5差の3位と好位置。逆転優勝に向けて、高津監督は「残り60試合戦っていく中で、必ず誰かが出てきてくれないと。前半のようにはうまくいくとは思ってない」と起爆剤となる若手の台頭を必要とした。ドラフト1位のパワーピッチャーが、そのピースとして期待される。

<中日>エキシビ勝ち越し、積極走塁目立つ

エキシビションマッチ10試合を7勝3敗と勝ち越した。期間中の盗塁は6個だが、1つ先の塁を狙う積極走塁も目立った。前半戦は41盗塁で、昨季の年間盗塁数33を上回る。与田監督は「機動力やヒットにさせない守備力(のレベルアップ)ができた」と手応えを口にする。エキシビションマッチでは1試合平均3・7得点を挙げたが、高い投手力と対照的な得点力のアップが課題。後半戦から合流するA・マルティネス、渡辺らが攻撃力の底上げに絡めるかがカギになる。

<広島>野間エキシビ1番打者で存在感示す

野間が1番打者として存在感を示した。エキシビションマッチ全9試合のうち7試合で1番起用された。途中出場を含め、6四球選び、26打数13安打。打率5割を残した。チームの1番打者は前半戦、菊池涼の58試合をトップに4選手が起用された。野間は6試合のみだったが、今や切り込み隊長の最有力候補。「後半戦の最初から1番で出て足を使ったり、やっていかないといけない。相手に嫌がられるような存在になっていかないといけない」。本人の自覚も十分だ。

<DeNA>後半戦に向けて左腕が活況呈す

中断期間中に投手陣を再編した。左腕の田中健がエキシビションマッチで3年ぶりに“1軍登板”。中継ぎ左腕の石田を先発に転向させた。左脇腹の炎症で戦列を離れていた左の浜口は、6月25日以来45日ぶりに先発に復帰。一発でローテーション入りを確定させ、後半戦に向けて左投手が活況を呈した。野手は日替わりに内野で森、伊藤裕、外野では楠本がエキシビションマッチで活躍。柴田も左手人さし指の裂傷から復帰し、戦力層に厚みを増した。

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◆プロ野球中断メモ 今季は東京五輪開催のため7月15日から8月12日まで公式戦中断期間を設けている。大イベントや災害などで日程が変更、中断された例は過去にあるが、五輪期間中にシーズンを中断するのは今季が初めてだ。オールプロで臨んだ04年アテネ、08年北京は五輪期間中に公式戦を開催。五輪に派遣された選手には成績などで不利にならないよう特例措置をとっていた。