ソフトバンクが5-0から大逆転され、痛恨の2連敗を喫した。投壊、拙攻、拙走の三重苦で、首位オリックスとは7月9日以来となる今季最大タイの5・5差。残り49試合となった現在と、1カ月半前の5・5差は重みが違う。逆転Vへ、王者の尻に火がついた。

悪夢の連続だった。7回に先発石川が1死満塁のピンチを背負う。2番手嘉弥真は押し出し四球、3番手甲斐野は2連打で同点を許した。甲斐野は「技術的にもメンタル的にも成長していかないと。マウンド上でもっと冷静になって、自分のパフォーマンスを出せるように今以上に努力していかないと」と唇をかんだ。

5-5の8回は無死二塁で周東がけん制死。その後1死二塁で三盗を試みた栗原は盗塁死に終わった。リプレー検証も判定は覆らず。絶好の勝ち越し機会を2度も失った。工藤監督は「結果的にアウトになってしまったので残念だが、積極的な走塁。サインは出してないけど、行ったことに関しては全然悪くない、相手の隙をついたと見ています」と、1点を奪いにいった姿勢を評価した。

同点の9回には守護神岩崎が前夜に続いて3失点。決着が着いた。岩崎は「負けたのは自分のせい。本当に申し訳ない」と肩を落とした。それでも指揮官は、岩崎の配置転換について「ないです」と即答した。「岩崎君にも1つの試練だと思ってなんとか乗り越えてほしい」。走攻守で後手に回ったナインを、工藤監督は責めなかった。指揮官の思いに、今度はナインが応える番だ。【只松憲】

▽ソフトバンク栗原(6回1死満塁で走者一掃の3点二塁打)「つないでくれたチャンスだったので、何とかランナーをかえすんだという気持ちだけでした」

▽ソフトバンク高谷(8回から4月4日以来の出場)「後ろで(捕手を)任せられている以上、勝ちにもっていくことができなかったので、なんの意味もありません。それに尽きます。ピッチャーは頑張ってくれたと思います」

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