「強打の捕手」が、真価を発揮した。巨人大城卓三捕手(28)が、広島森下から2打席連続アーチを放ち、チームの連敗を2で止めた。

同点の4回2死、バックスクリーン左へ勝ち越しの10号ソロを放ち、自身初の2ケタ本塁打を達成。7回1死にも右翼席へ11号ソロを運んだ。「1つ、目標にしてたところなので、達成できて、うれしく思います」と充実感に浸った。

原監督でさえも、形容する言葉を思案する魅力がある。「すごく大きな潜在能力を持った選手」と認めつつ「そうじゃなく見えるところが彼流。常に『なんくるないさ』という感じで野球に取り組んでいるのが、時に強さに見えて、時に欲のなさに見える」と出身地の沖縄の言葉を引用しながら説明。好投手の森下でも心はブレず、自身初の1試合2発をマークした。

ストロングポイントの「強打」に、今季は守備面での成長も数字に表れる。盗塁阻止率はリーグトップの4割3分2厘。ワンバウンドの処理、リードも地道に研究する姿に、指揮官は「『なんくるないさ』のもうちょっと緻密になった状態の言葉って何かあるのかな? 1歩2歩成長している(という意味の)言葉があれば、使いたいなと思いますね」と笑顔で評した。

23日に原監督も見守る中で行った休日返上の打撃練習の成果を示した。ソロ3発を助っ人リレーで守る「わっしょいベースボール」で首位阪神と2差の2位をキープ。お立ち台後、グラウンドに初登場したみこしをメルセデスとかついだ大城は「(みこしは)初めてですね。いい思い出です」と夏の思い出に新たなページを加えた。【久保賢吾】