決勝の一撃を、ずどーん! と打ち上げた。巨人岡本和真内野手(25)が同点の8回、広島コルニエルから決勝2ランを放った。早くも19年、20年に並ぶ31号でリーグ単独キングに立つとともに、1発を含む3安打3打点の大活躍。チームは首位阪神と1ゲーム差に肉薄し、エース菅野が先発する26日にも首位浮上の可能性が出てきた。岡本和が打線のど真ん中に座る「わっしょいベースボール」で猛進する。

   ◇   ◇   ◇

岡本和が剛速球を粉砕した。8回1死一塁、広島コルニエルの初球157キロの直球を捉えた。左中間席に飛び込む31号アーチ。丸の右前打の直後の打席で「初球、どさくさに紛れて打ったろうかなと」と31本塁打のうち11本目となる初球本塁打で試合を決めた。お得意の“どさくさ弾”に「クイックも速かったので、なんとか『見て見て』だとのまれると思った。とにかく絶対合わせようと思ったら1発で行けてよかった」と積極姿勢を貫いた。

岡本和真史上最多弾が間近に迫る。48試合を残して19年、20年の31本塁打に並んだ。自己最多は18年の33本。自己記録更新は確実視されるが「あまり、過度な期待は持たないでください」とニヤリと笑った。

「わっしょいベースボール」の申し子になる。後半戦開幕カード3連勝へチームを盛り上げた。3試合連続で試合前の円陣で声出しを務め、通常時の「さあいこう!」ではなく「わっしょーい!」のかけ声で結んだ。今では坂本、大城らの「わっしょいポーズ」も定着。グッズ、音響に加え、東京ドームの警備を務めるシミズオクト社が制作した「特注みこし」までそろった。

勢いそのままに決勝アーチ直後のベンチで喜ぶナインに向かって「わっしょいポーズ」を初披露。お立ち台で「どうやってやったら(いいのか)…。難しかったです。恥ずかしいなと」と冷静沈着な“岡本節”で笑いを誘った。打って、わっしょい! 勝って、わっしょい! 岡本和が「巨人みこし」を力強く担ぐ。【小早川宗一郎】