虎の若き主砲コンビが苦境に立たされた。阪神は主軸に元気なく、広島に競り負けた。5番佐藤輝明内野手(22)は自己ワーストを更新する20打席連続ノーヒット。4番大山悠輔内野手(26)もチャンスで凡退を繰り返した。矢野燿大監督(52)は打線のてこ入れ検討を示唆。2位巨人を突き放すためには攻撃力向上は必要不可欠だ。

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詰まった佐藤輝の打球が左翼手のグラブに収まった。8回1死二塁のチャンスで、広島コルニエルの内角156キロをとらえきれなかった。自己ワーストの20打席ノーヒット。怪物ルーキーが今季最長のトンネルにもぐり込んでいる。

先発大瀬良には3打席すべて空振り三振に終わった。マツダスタジアムでの試合は7月4日、1試合5三振でプロ野球タイ記録をつくって以来。同球場では8打席連続三振となった。試合前まで打率3割2分7厘とセ5球団で広島を一番得意としていた好相性も、この日は結果に結びつかなかった。

2位巨人が敗れ、3ゲーム差に広げるチャンスを逃した。主軸が波に乗れない。佐藤輝だけでなく、大山も得点圏でことごとく凡退。矢野監督は「悠輔(大山)、輝(佐藤)とどちらも悪いから、なかなか機能しない。代えるのか、そのままいくのか、ちょっと考えます」と苦悩の表情を見せる。後半戦開幕から、4番大山、5番佐藤輝の布陣で臨んできたが、打順のてこ入れを熟考することを明かした。

一時帰国の影響で調整が遅れているマルテは寝違えのため、1軍昇格のメドが立っていない。期待の佐藤輝は19日DeNA戦(東京ドーム)で9回に23号を放ったが、翌20日の中日戦からこの日の広島戦まで7試合で24打数1安打、打率4分2厘と打てていない。前半戦のような打線の爆発力が見られず、苦戦を強いられている。

2位巨人、3位ヤクルトも負けたため、ゲーム差は巨人2差、ヤクルト2・5差と変わらぬまま。28日の広島先発は野村。佐藤輝にとっては、5月2日に甲子園で初の4番に入り8号満塁弾を放った相手だ。いいイメージを持って打席に入り、不振脱出のきっかけとしたい。【石橋隆雄】

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