途中出場のロッテ田村龍弘捕手が投手戦に決着をつけた。0-0で迎えた9回。2死二、三塁でこの日初の打席に立った。

「見逃し三振だけは絶対にしないって決めて。少々ボールでも食らい付いていくくらいの感じで立ちました」。フルカウントからファウルで4球粘った10球目、浮いたチェンジアップを左前へ運び、両軍唯一の得点を挙げた。

ガッツポーズはやや控えめ。「ホームだったら終わりですけど、守備守備って切り替えて。喜ぶのは終わってから。逆転されてたら話にならないんで」。9回裏2死三塁、楽天の4番島内を三振に仕留めて初めて、勝利の余韻に浸った。

コンディションが万全でなく、ここ10試合は加藤が先発マスクをかぶった。遠征3カードを6勝1敗1分けで終え、今季最多貯金7とチーム状況は良好。一方で「個人的にはあまりよくないのが続いていた」。腐らず、備えた。戦局を左右する場面で代打を出さずに使ってくれた井口監督への、感謝とアピールの気持ちをバットに乗せた。

これで4連勝。楽天には7月から6連勝だ。「週の最後で、引き分けで帰るのか負けで帰るのかは全然違う。今日はしっかり喜んで、またね、休み明けからしっかり準備してやりたいと思います」。ベンチスタートであろうとも、田村がいれば心強い。【鎌田良美】