DeNA川村丈夫投手コーチ(49)が7日の移籍後初先発に備えて横浜スタジアムで初練習を行った宮国椋丞投手(29)についての期待を口にした。

「ファームでここ2試合すごくいい結果が出ている。彼の調子は上向き。期待感しかない。よく胸を借りるというが、胸を突き飛ばすぐらいでいってもらえれば。野球とはちょっと違うかもしれませんが、古巣との対戦で彼自身も気合が入るだろうし、そのへんも期待の一端となる」と話した。

ストーリーは完璧だ。昨季限りで戦力外となった古巣を相手に、新しい本拠地で初登板する。巨人戦ということが、宮国を先発に抜てきした理由なのかを問われると「最終的には(三浦)監督の判断ですが、そこはあったのではないのかなと、推測はします」。古巣を相手にすれば、アドレナリンが全開になることも予想される。

宮国は今年、3月に入団したためキャンプに参加していない。2軍では当初、中継ぎからスタートし、徐々に球数を増やしてきた。川村コーチは「ファームでの経験がうまくいって、今ここに至っていると思う。経験がある投手なので。ブランクというところだけが問題であって。スケジュール通り、予定通りに進んだ結果」と話した。

宮国も29歳を迎え、若い時代の真っすぐとフォークを中心とした投球スタイルから変化した。川村コーチは「もうゾーンをいっぱいに緩急も使って、すべてを駆使していかないといけない投手だと思う。それに加えてストレートの球威も上がっている。そこもうまく使いながらですね。パワーピッチャーではないが、投手はストレートありきだと思うので、それをうまく使いながらいってくれれば」。前回登板した8月28日のイースタン・リーグ巨人戦では、最速が147キロを計測し、6回無失点だった。今度は1軍を相手にしても、古巣の胸を突き飛ばす快投があるかもしれない。【斎藤直樹】