乗り越えろ。広島森下暢仁投手(24)が14日、中日戦(バンテリンドーム)に先発する。後半戦4試合未勝利、ここ2試合は6回を投げきれない登板が続く。さらに相手の徹底研究や揺さぶりもあり、被長打が増えるなど、2年目の試練に直面している。まずは後半戦3度目、2週続けての対戦となる中日にリベンジし、現状打破のきっかけをつかみたい。

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森下が2年目の試練に直面している。防御率はリーグ3位の2・82を残しながら、6勝6敗と勝ち星に恵まれない。開幕からカード初戦を任される登板が増え、他球団の主戦との対戦が増えた。加えて他球団からのマークも増した。打線とのかみ合いもある。現在2連敗、登板4試合連続勝ち星なしは、いずれも自己ワーストタイ。8月24日まで登板15試合で1試合しかなかったクオリティースタート未達成が、前回まで2試合続いている。

「勝ちたい気持ちは強い。でも、自分の仕事をしていれば勝ちは付いてくると思っています。チームが勝つために、自分の仕事をするだけと心がけてやっていきたいです」

マツダスタジアムの先発調整では、これまでと変わらず、いつものように登板に備えた。中日とは後半戦早くも3度目、2週続けての対戦となる。先週7日の試合後には佐々岡真司監督(54)から「次、取り返せ」とはっぱをかけられた。サヨナラ勝利で今季巨人にしか喫していない同一球団の連敗は免れたが、自身は6回途中4失点。「後半戦2試合やって、2試合とも点を取られていますし、2試合とも同じ球で同じ打者に打たれているので、そこは工夫しないといけない」。巨人坂本勇、DeNAオースティン以来、対戦2試合続けて打点を許した中日渡辺を警戒する。

昨年登板した試合で1つも許さなかった盗塁を今季は6個も許している。ただ、6個のうち5個が2死から許したもの。打者勝負の意識を高めた瞬間、エアポケットのようになったのかもしれない。8月17日中日戦は3回2死一塁からの二盗が決勝点に直結した。「そういうところはケアしながらやっていこうと思います」。その後、盗塁は1つも許していない。

被本塁打は昨季の6本からすでに14本に倍増。被長打率も3割3厘から3割8分5厘に増すなど、苦戦の跡がみえる。自身も新人王を獲得した翌年に中継ぎ転向するなど苦しい2年目を経験した大瀬良大地投手(30)は後輩にエールを送る。「今はしんどいことが多いと思うんですよね、昨年よりも。そういうことをクリアしていくことがチームのためにもなる」。すでにリーグを代表する右腕も、まだプロ2年目。成功だけでなく失敗も、すべてが大投手の血肉となるに違いない。【前原淳】