ソフトバンク千賀は126球目にじっくりと時間をかけた。同点の8回2死満塁で打者はレアード。捕手の甲斐もマウンドに来て話し合い、心を決めた。フルカウントから、勝負の1球に選んだカットボールに魂を込めた。しかし、レアードに二塁内野安打とされ、勝ち越しの走者2人が生還。「長いイニング、球数を投げることができましたが、大事なところで粘ることができませんでした」と唇をかんだ。自己最多タイ14奪三振の快投も報われなかった。

チームは自力優勝が再び消滅。首位とのゲーム差も今季最大の7・5となった。それでも工藤監督は「このゲーム差がね、もう優勝に届かないかといえば、全然そんなことない」と希望を捨てない。「これからがホークスの本当の戦いだと。そういう戦いを見ていただけるように」と前を見た。

▼千賀が19年4月12日楽天戦に並ぶ自己最多の14奪三振をマークした。2ケタ奪三振は通算30度に到達(プロ野球22人目)。球団では和田毅(29度)を抜いて杉内俊哉(49度)に次ぐ単独2位。現役では松坂大輔(西武=45度)則本昂大(楽天=42度)田中将大(同=37度)に次いで4位になる。