頼むぞ、アッキャマン! 首位阪神が17日から本拠地甲子園で試練の3連戦に臨む。エース西勇輝投手(30)が離脱した影響で、17日の中日戦は秋山拓巳投手(30)が2週連続中5日で先発。相手は中日大野雄、柳で、さらに19日の巨人戦は菅野と球界を代表する投手の先発が見込まれる。打線は低空飛行が続くだけに、抑えて勝ちたい3番勝負。先陣を託されたリーグトップタイの10勝右腕が、快投でチームを勢いづける。

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チームの危機はオレが救う。秋山が気合十分で17日の中日戦に先発する。開幕から不動のローテで投手陣を引っ張るエース西勇が14日に「首の寝違え症状」で出場選手登録を抹消された。本来なら、西勇がいくはずだったカード頭の金曜マウンド。緊急発進となるが、この日甲子園で練習した右腕は闘志満々だった。「シーズン終盤でチームも勝つしかないので、思い切って腕を振って投げていきたいです」と力を込めた。

優勝争いへ重要な戦いになる。相手は五輪中断後、14勝12敗2分けで“後半戦首位”と好調な中日で、投げ合うのはエース大野雄。18日の2戦目は投手3冠を狙う柳、さらに19日の巨人戦は菅野が予想される。球界を代表するスターターが続く試練の3番勝負。打線が前カードのヤクルト戦で2試合で計4得点、20残塁と苦しんでいるだけに、先発がいかに踏ん張るかがポイントになる。秋山も大野雄を強烈に意識した。

「先制点を与えずに、相手に負けない強い気持ちを持って、投げ勝つ気持ちで初回から頑張っていきたいと思います」

自身初のタイトルも視野に入る。現在、同僚青柳、巨人高橋と並んでリーグトップの10勝。勝てば単独トップに立つ。前回も中5日だった11日広島戦(マツダスタジアム)では7回2死までノーヒット投球を続けるなど、完璧な投球を披露した。今季の中日戦は、2試合で1勝0敗、防御率0・64と抜群の安定感。日本列島に近づく台風14号が心配だが、何としても初戦を取ってチームを勢いづける意気込みだ。

シーズンも残り31試合。優勝戦線は佳境に入る。首位阪神と2位ヤクルト、3位巨人との差は2・5ゲームだが、17日から阪神が2連敗し、直接対決するどちらかのライバルが2連勝すれば首位から陥落する。1つのつまずきが、シーズンに影響を及ぼしかねない。 秋山は「先頭打者をしっかり切って、集中して投げていきたい。チームのために勝利に導くピッチングができるように頑張るだけです」と快投を宣言した。ピンチをチャンスに変え、再び独走態勢へ。打線が打てないなら、自分が抑えるだけ。背番号46がチームにはずみをつける。【桝井聡】

▼今季の秋山は中日戦で2試合に登板し1勝0敗、防御率0・64は対戦別最良。14イニングを投げ自責点1で、5月13日に木下拓からソロ本塁打を浴びた1失点だけに抑えている。

▼同一カード3連戦の初戦は4月30日広島戦、7月9日巨人戦の2試合に登板し2戦2勝。13イニング1/3で3自責点、防御率2・03と好投が続く。

▼今季の中5日登板は2度目。前回は9月12日広島戦で、7回1失点の力投で10勝目。7回2死まで無安打無得点の力投だった。

▼秋山が阪神主催試合(甲子園、京セラドーム大阪)の中日戦で先発すると、チームは8戦負けなしの7勝1分け。秋山自身はは2勝にとどまっているが、防御率2・18の好相性だ。

▼阪神が17、18日の中日戦で●●、巨人-ヤクルト戦でどちらかが○○のとき、阪神は2位に転落する。このとき阪神の貯金は13、連勝し首位に立った巨人またはヤクルトの貯金は12。このため18日時点の首位チームは、2位阪神にマイナス0・5ゲーム差となる。

▽阪神福原投手コーチ(週末は好投手との対戦が続くだけに)「(先発投手には)味方が点を取るまでは、何とか先制点を与えないようにしてもらいたい。チームにリズムを持ってこられるような投球を期待したいですね」

▽阪神高橋(今季初先発した9日ヤクルト戦は4回6失点。先発予定の18日中日戦へ)「試合を作ることを意識して練習してきました。(中日打線は)テレビで見ていても切れ目のない打線という印象がある。先頭をしっかり切って、自分有利に試合を進めていけるように頑張っていきたい」

▽阪神ガンケル(19日巨人戦に先発予定。4日の同戦は7回途中3失点)「前回の対戦では、走者がいる場面でボールが高くなり打たれてしまった。走者を出した時は、走者がいない時よりも、さらにボールを低く集めることに集中したい」