中日は連敗で、自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出が消滅した。9連戦の初戦でエース大野雄大投手(32)は7回6安打1失点と粘投。しかし、左打者の被打率が高い阪神先発高橋に対して、福留ら左打者6人を並べた打線が沈黙した。高橋には7回まで2安打で、岩崎、スアレスとつながれ、今季10度目の無得点に終わった。

高橋の前に得点圏に走者を進めたのは2回の1度だけ。与田剛監督(55)は「何とか打ち崩さないといけないが、簡単ではなかった。右(打者)がなかなかいい形にならなかった。高橋には本当にいい投球をされた」と脱帽した。9回は無死一、二塁で大島が送りバント失敗と好機を逃したのも痛かった。自力でのCS進出消滅について、指揮官は「答えはいつもと一緒」と返し、1戦ずつ戦う従来からの姿勢を貫いた。

当初先発だった17日は雨天中止となった。大野雄は台風接近を踏まえて16日のうちに今季初のスライド登板を志願。17日のナイターから18日はデーゲームとなっても、117球で試合を作った。デーゲームは19年9月から6戦で5勝0敗で、2年ぶりに黒星がついた。「勝ちは自分では操作できない部分もある。落ち込むことなく、次に向けて調整することが大事。こういうことは何度かある。そこで精神的に強くなっている」。今季9敗目のエースが自らを鼓舞すように発した言葉は、竜ナインにも伝わるはずだ。【伊東大介】

▽中日大野雄(7回1失点で9敗目、デーゲームでは19年9月以来、7戦ぶりの黒星)「勝ちは自分では操作できない部分もある。落ち込むことなく、次に向けて調整することが大事」