謙虚に、粘り強く、スコアボードにゼロを並べた。巨人高橋優貴投手が、6回3安打無失点の好投でリーグ単独トップの11勝目をマーク。8月29日の中日戦以来の白星に「特にここ2試合、ふがいないピッチングが続いたので、考えることが多かったですね」と1勝の重みをかみしめた。

モヤモヤの中、気付けば朝を迎えた。「やっぱり寝られないですよね。今日も寝ずに来たので」と吐露。「でも、それが責任というものなのかなと。なかなかチームを引っ張るのは難しいかもしれないですけど、マウンドに上がってる以上はそういうつもりで」と逃げずに受け止めた。

攻める気持ちを貫いた左腕を、仲間が攻守で助けてくれた。バッテリーを組んだ小林からは「ゾーンで勝負してこい」と助言され、5回までは無四球。打線からは3発で5点を援護された。「僕の試合は全部打ってもらって勝ってる試合なので、感謝の気持ちを忘れずに」と頭を下げた。

9月は菅野を除き、先発陣に白星がつかなかったが、22日の広島戦で戸郷が自身3カ月ぶりの9勝目。同期入団の右腕の好投に刺激を受け、好結果で続いた。「負けたくないですし、戸郷も僕に負けたくないと思ってやっていると思います。チーム内での競争も大事」と切磋琢磨(せっさたくま)する。【久保賢吾】

▽巨人原監督(高橋の好投に)「今日はリズムと真っすぐも結構使ってというのが、非常に良かったと思いますね。本来のピッチングだと思います」