千賀滉大投手(28)を今季初の中4日で投入する勝負手も実らず、ソフトバンクの優勝が絶望的になった。

打線が早めの援護で連敗ストップを狙ったが、1点を奪うことすらできなかった。奇跡の大逆転を目指し、首位オリックスと5ゲーム差で乗り込んだ大阪で、3試合1得点の2試合連続の完封負け。ゲーム差を詰めるどころか、残り16試合で8ゲーム差をつけられてしまった。工藤公康監督(58)は「バッターの人たちもなんとかしようと思ってやっているんだけど…」と厳しい表情を浮かべるしかなかった。

前日の山本に続き、この日は先発で今季初対戦だった竹安の前に打線が沈黙した。6回までわずか1安打に抑え込まれ、4回1死三塁の絶好機も4番柳田悠岐外野手(32)、5番アルフレド・デスパイネ外野手(35)が凡退。3点を追う9回には無死から三森大貴内野手(22)が安打で出たが、相手の投球がワンバウンドする間に二塁を狙って盗塁死。最後は栗原陵矢捕手(25)が併殺打に倒れ、力尽きた。オリックス戦は16年8月以来、5年ぶりの同一カード3連敗となった。

もちろん、工藤監督はファイティングポーズを崩さない。「順位はまだ決まっていませんので、何も悲観する必要はない。とにかく目の前の試合を集中して、戦っていくことが何より大事」。最低でも5年連続日本一への挑戦権を得るべく、5日からはCS圏内浮上へ、3差で追う3位楽天を本拠地に迎える。「結果が悪ければ監督のせい。結果が良ければ選手のおかげ。それが野球ですよ。そう思ってやってくれれば」とナインの奮起を期待。王者の意地が試される。【山本大地】