日本ハムは、育成4人を含む大量13人を指名した。65年の第5回ドラフトに並ぶ球団最多指名となった。球団は例年、その場しのぎの補強ポイントに重きを置くのではなく、中長期的な視点に立って指名選手を決めている。今年は高校生が8人。潜在能力を高く評価した選手が多かった。北海道北広島市に建設中の新球場の開場を23年に控え、新時代を支えるヒーローの育成に力を注ぐ。

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日本ハムからドラフト3位指名を受けたJR四国・水野達稀内野手(21)は、走攻守3拍子を武器に1年目から遊撃のレギュラー争いを目指す。「素直にうれしい。思っていた以上に高い順位で選んでいただけました」と喜んだ。「(日本ハムは)若い選手が活躍しているイメージが強いので、そこに入り込めれば」と北の大地へ思いをはせた。

171センチと小柄ながら、思い切りのいいスイングから繰り出すパンチ力ある打撃が持ち味。「真っすぐに振り負けず、全方向に長打を打つことができます」と広角に打ち分けられる点に自信をのぞかせた。

走塁・守備にも定評があり、50メートル6秒0の俊足と遠投110メートルの強肩を誇る。JR四国では高卒1年目からリードオフマンを任されるなど、主力として活躍。今年の社会人ナンバーワン内野手の呼び声も高い。日本ハムは今季、遊撃手を固定できておらず、即戦力としての期待も高まる。社会人出身ながら21歳と若く、今後の伸びしろも十分だ。「やっとスタートラインに立てた。まずは打率3割を打てる選手になりたいです」とプロの舞台での活躍を誓った。【小林憲治】