今季限りで現役を引退するソフトバンク長谷川勇也外野手(36)の引退セレモニーが、日本ハム戦後に行われた。長谷川は涙を流しながら引退のあいさつ。その後は球場内を一周すると、ナインから胴上げを受けた。長谷川のスピーチ内容は以下の通り。

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長谷川 まず初めに、今日この場を用意してくださった球団の方々、全ての方々に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。そして、クライマックスシリーズを争っている状況の中、まだ順位が確定していない中で登録していただき、打席に立たせてもらいました。それを許してくださった球団の方々、監督、コーチ、選手の皆様、本当にありがとうございました。プロに入って15年、若い時の自分を思うと、ここまで長くできるとは思っていませんでした。それも王監督、秋山監督、工藤監督、コーチの方々の指導のおかげだと思っています。

そして、支えてくださったチームスタッフ、トレーナーの方々、体のケアをしていただいた先生方、手術をしていただいた先生。関わっていただいた全ての方々の支えがなければ、15年やってくることはできなかったと思います。

そして何より、一番近くで支えてくれた家族。妻には、気を使わせることも多く、子供たちにも我慢させることも多く、本当に助けてもらいました。野球に打ち込ませてくれて、野球に集中させてくれて本当にありがとう。

こうして多くの方々に支えられてやってきた現役生活も今日で終わりです。悔いはありません。一生懸命やりました。バットもたくさん振りました。今日の最後の打席も自分らしく終われました。伊藤投手、本当にありがとうございました。なかなか思い通りにいかないことが多かった現役生活でしたけど、そこから逃げずにしっかりと向き合ってやってきたということは自信を持って言えます。そんな自分を応援してくださったファンの皆様、15年間本当に応援ありがとうございました。自分はファンサービスや派手なパフォーマンスも得意ではありませんでした。にもかかわらず打席に立つ際には大きな声援をいただいたり、時には今日のようにアウトになった時でさえ大きな拍手をいただきました。普段の努力や一生懸命やる姿というのを感じてもらって、認めてもらっていると思っていました。それを喜びに感じ、さらに野球に向かって努力していく力になりました。

最後になりますが、けがも多く、山あり谷ありの野球人生でしたが、山を越え、谷を越え、やってきたその先にこんなにも素晴らしい舞台、場所があるとは思ってもいませんでした。多くの方々に見守られ、ファンにも見守られて引退することができ、本当に諦めずに頑張ってきて良かったと思います。会見では「順風満帆な野球人生ではなかった」と言いましたが、今日一日を通して考えが変わりました。訂正します。長谷川勇也のプロ野球生活15年間は、多くの方に支えられた順風満帆な野球人生でした。ファンの皆様、支えてくださった全ての方々、15年間本当にありがとうございました。

 

◆長谷川勇也(はせがわ・ゆうや)1984年(昭59)12月22日生まれ、山形県出身。酒田南-専大を経て06年大学生・社会人ドラフト5巡目でソフトバンク入団。08年に1軍デビューし、13年に首位打者、最多安打のタイトルを獲得し、ベストナインにも輝いた。今季推定年俸7000万円。180センチ、86キロ。右投げ左打ち。