待ちわびた瞬間だった。盟友のT-岡田外野手と手を取り合い、チームの長い低迷期を支えてきたオリックス安達了一内野手が優勝の瞬間を迎えた。

走攻守を兼ね備えた即戦力野手として、11年ドラフト1位でオリックス入り。チームは長い低迷に苦しみ、安達自身も16年1月下旬の自主トレ中に難病の潰瘍性大腸炎を発症した。大きな危機に直面した分、復帰戦となった4月12日日本ハム戦でファンから送られた声援は安達の宝物になった。「一生忘れない」という感激を心の支えに、体調と折り合いをつけながら中心選手の責任を果たしてきた。T-岡田とともに監督室のドアをたたき、当時の福良監督に「負けてばっかりは悔しすぎます」と訴えたこともあった。「それならお前たちが頑張らないと」という福良監督の言葉に、チームをけん引していく強い自覚を持った。

西武との本拠地最終戦を勝って終えた21日。球場を去り際「優勝したい…」ともらしていた。「来年はどうなっているかわからないですから」。体調を整え、若手の追い上げもはねのける。1年1年が勝負。その覚悟でやってきた。願いがこの日、かなった。