村上宗隆内野手(21)が、絶対的な燕の主砲に成長した。打率、本塁打、打点の「全部を狙いながら」と意気込んで臨んだ今季。念願の本塁打王を獲得し「なにか1つ、3部門で取りたいと思っていた。ホッとしています」と胸をなで下ろした。シーズン最終戦も不動の「4番三塁」で先発し、2年連続で全試合4番での出場を達成。チームを6年ぶりのリーグ優勝へ導き、MVPの最有力候補にも挙がる。

開幕前には「最下位のチームの4番なので、そこを優勝できるチームの4番になれるように頑張りたい」と決意を示していた。その覚悟をバットに乗せ、個人でも、チームでも有言実行を果たした。

喜びの一方で、悔しさを残す最終戦となった。打点王との2冠も目前だったが、第1打席から3打席連続三振。3点を追う7回1死二、三塁での第4打席は、内角高めの直球に詰まり、思わず天を仰ぐ遊飛に倒れた。そして9回1死走者なしの最終打席は空振り三振。無安打で1打点足らず2冠を逃し、史上最年少でのシーズン40発もお預けとなった。「欲を言えば打点も取りたかったのが本音。そんなにうまくいかないのかなと思った」と素直に悔しさを口にした。

優勝というチームでの目標を達成し、一息ついてしまったことが反省点だった。「(個人記録の)意識はしていた。(優勝後)僕自身やり切ったという感じがあった。気持ち的に難しかった」と打ち明けた。10日からは、日本一を目指す戦いが再び始まる。20年ぶりの頂点に向けて、ポストシーズンも引っ張っていく覚悟。「勝ちにこだわって。今までやってきたことを信じて初戦から一致団結して頑張りたい」と、闘志を燃やしていた。【湯本勝大】