試合終了とともに、楽天石井一久GM兼監督(48)がわずかに千葉の夜空を見上げた。

首を戻して腕を組みながら、歓喜にわくロッテナインから目線を外さなかった。シーソーゲームの末にCS第2戦を引き分け、1敗1分けで3位楽天が規定により敗退。指揮官は「とても残念」と悔やみながら「みんなが1点を取りに、防ぎに一生懸命やってくれたことに感謝していますし、よくやってくれた」と選手を誇った。

粘り負けた。勝利が絶対の一戦でロッテ小島から2回に2点を先制。だが6回に安楽が勝ち越しソロを被弾。7回に逆転も、再び直後に酒居がマーティンに同点弾を許した。指揮官は「うちのリリーフで打たれたらしょうがない」と12球団トップの救援防御率を誇る救援陣をかばった。

光も見えた。2回に右翼岡島がフェンスに激突しながら好捕。9回には浅村が二ゴロに倒れるも一塁にヘッドスライディング。併殺での試合終了を免れた。主力の気迫に指揮官は「そこは本当に満足。死力を見せてくれた」とたたえた。GM兼監督1年目はリーグ3位、CSファーストステージで終戦。「高みのまだ途中。いろんな経験ができるので、来年はそういう景色を見せてあげたい」。この悔しさは必ず、明るい空を描いてくれる。【桑原幹久】