中日京田陽太内野手(27)が打撃フォームを解体した上で打力アップに挑む。9日、ナゴヤ球場での秋季キャンプでバットを真上に掲げ、高いトップの位置から振り抜く異例のスイングで打撃練習を繰り返した。新任の中村紀洋打撃コーチ(48)らから助言を受け取り組んでいることを明かした。

「ずっと(テークバックの際に)2度引きするというクセがあって、直すための方法、意識付けなのですが、今しか出来ないので。思ったより違和感なく、こっちの方がバットが出やすい。手応えもある。オフにどこまでやれるかだと思っています」。立浪新監督、森野コーチらからも同様の指摘を受けていた。秋季キャンプを利用して、悪癖矯正のための練習に取り組み始めた。

励みになる魔法の言葉もある。「中村コーチにはずっと言われています。トリプル3(3割、30発、30盗塁)いけるぞって」と京田。「物事には段階があります」と続けたが、両手のひらにできていたマメが指に出来始めた。大胆な打撃スタイルの変更が異変をもたらしているのであれば、来季以降の大化けの可能性も秘める。中村紀コーチは「体もぼくより大きく、下半身もしっかりしている。ヒットだけではもったいない。足も速い。トリプル3、いけます!」と期待値の高さを壮大な目標設定で表現した。【安藤宏樹】