日本ハム新庄剛志監督(49)が9日、秋季キャンプを行う沖縄・国頭(くにがみ)で、来季高卒5年目を迎える清宮幸太郎内野手(22)に減量を指示した。視察2日目のこの日は、積極的に選手1人1人と会話。ボディータッチで距離を縮め、身ぶり手ぶりで助言を送った。

    ◇    ◇    ◇  

新庄監督が、一流を目指し汗を流す若手たちを“初指導”した。打撃練習を終えて近寄って来たのが、17年ドラフト1位の清宮。未来の大砲候補の左脇腹をつまむと「ちょっとデブじゃね? ちょっと、やせない?」と、小首をかしげた。「やせてしまったら打球が飛ばなくなるのが怖い」と不安を打ち明けた清宮に「今もそんなに打球は飛んでないよ。昔の方が、もっと飛んでいた。昔の方がスリムじゃなかった? それは、キレがあったから。やせた方がモテるよ。格好いいよ」と説いた。

自身は、現役時代と変わらないモデル体形を維持している。「スタイルのいい野球選手がベスト。(清宮は)ちょっと、ぽちゃっとしているから」。公称103キロの清宮には、仙台から東京へ移動中の新幹線で、牛タン弁当を7個も食べたという逸話がある。BIGBOSSは「出来たら3個ぐらいに…」と苦笑いし「ダイエットは精神的にも鍛えられる」と減量を指示した。

守備練習では、一塁を守る清宮を後方から見守った。リズムに乗って手足を楽に構える「ドミニカンスタイル」を提案し「(捕球に)柔軟性が全くない。春までに、ぐにゃぐにゃに」と、股関節を柔らかくするよう課題も与えた。高校通算111本塁打を引っ提げ、ドラフト会議で7球団が競合した清宮も、来季で5年目。殻を破れずにいる22歳は「ボスに心を操られているというか…」と、目の色が変わった。「勇気を持って何か変えないとスターにはなれない」という指揮官の言葉に「間違いないと思います」と、うなずいた。

1死満塁を想定したケース打撃では、際どい判定を巡って初の「リクエスト」を要求。体の前で四角をつくるジェスチャーではなく、ちゃめっ気たっぷりに両手でハートを作り頭上に掲げた。「俺、来年、これでいくよ。シーズン中も」。選手を包む大きなLOVEで、球界に旋風を巻き起こす。【中島宙恵】