藤本ホークスが「走塁改革」に着手した。ソフトバンクが10日、宮崎秋季キャンプ第2クールの2日目で異例の走塁練習を行った。

走者一、三塁の状況で、投手が一塁へけん制した瞬間に三塁走者が本盗を仕掛けた。相手の一瞬の隙を突く積極的な走塁を繰り返した。提案した本多雄一内野守備走塁コーチ(36)は「『打たずに勝つ』を提案させてもらった。一、三塁のダブルスチールはありますけど、けん制からもあってもいいのかなと。逆にそういうのもあるよと見せた方がいい」と、狙いを説明した。

今季はリーグ2位の564得点を挙げたが、1点差ゲームは8勝19敗と大きく負け越した。「あと1点」に何度も泣かされ、同コーチは「たかが1点だけど、されど1点の時もある。そういう時に使いたい」と力を込めた。けん制から本盗という珍しい攻撃パターンを来季は加える考えだ。さらに「1回やれば向こうは警戒しますけど、警戒させておけばいい。警戒が薄れた時にもう1回やるとか…」と、相手バッテリーに激しく揺さぶりをかける狙いもある。

本塁ベース付近で走塁練習を見守った藤本監督も「隙があれば1点でもたくさん取る。この秋にどんどんチャレンジして、できるかできないかを明確にしてやっていきたい」と、うなずいた。王座奪還を目指すソフトバンクの“足攻”に注目だ。【只松憲】