<セ・CSファイナルステージ:ヤクルト4-0巨人>◇第1戦◇10日◇神宮

下を向いている暇はない。巨人原辰徳監督(63)は完敗した直後、すぐに次なる戦いに視線を向けていた。

「わかりやすい反省点が多いから。明日また切り替えて行く、と」

2位阪神を2連勝で撃破したファーストステージで発揮したきめ細やかさが、投打で影をひそめた。1死一、三塁から左翼と遊撃への飛球で三塁走者塩見の生還を許して先制点を献上。先発山口は続くサンタナの初球、スライダーを左翼席へ運ばれた。

「まあまあ、なかなかちょっとフォローはできないよね」

今季2戦2敗だった奥川相手に、いきなりの3失点は重すぎた。

「結果的に最初の3点というのがね、やっぱり大きい3点になりましたね」

打線も先頭打者が計4イニングで出塁したが、好機を拡大できなかった。3回には先頭吉川が安打を放つも、8番小林が3球三振で9番山口が犠打を失敗。打線がつながりを欠いた。

「そういうものが得点に結びつかなかったということでしょうかね。1番、2番、3番もそうだしね。なかなかやっぱりつながらなかったというところ」

ファーストステージ勝者が日本シリーズ進出を懸けた舞台の初戦を落として突破する確率は、わずか4%。王者ヤクルトは投打で隙を見せなかったが、悲観するにはまだ早い。

「しかし、こっちも0点だからね。明日、逆に思い切って切り替えられるというかね。打線においても投手においても、という点でね」

第2戦の先発は、ファーストステージ初戦の7回2安打無失点の好投で下克上ムードを色濃くした菅野。エースを中心に、もう1度流れを呼び戻す。