3年ぶり10回目の出場となった伯和ビクトリーズ(東広島市)が初戦を突破。上甲凌大捕手(20)が社会人初本塁打から2打席連続本塁打が飛び出すなど4打点の活躍を見せた。

20歳が大舞台で力を発揮した。2回1死二、三塁から上甲の中堅への犠飛でまずは先制する。3回には2点を加え、4回1死から上甲が右翼スタンドにソロ本塁打を放ち、ガッツポーズ。社会人に入って初本塁打に「うれしい気持ちでいっぱい」と笑みが弾けた。これだけでは終わらない。6回2死一塁からの第3打席では2ボール1ストライクからの4球目を右中間スタンドへ放り込んだ。「ギリギリでしたけど、確信があったのでゆっくり回りました」と2度目のダイヤモンド一周となった。

援護をもらった、先発でJR西日本からの補強選手の佃勇典投手(29)も6回を投げて2安打6奪三振無失点と流れを渡さなかった。捕手として上甲は「結構振ってくるバッターもいたので、真っすぐ張っているのかなと思いつつ、真っすぐを張らせないリードを意識して配球していった」と話し、3投手を無失点リレーに導いた。

チーム最年少での出場で2本塁打4打点。「初めての大舞台だったので楽しみたいというのが一番大きかった。球場に着いてからは緊張もなく、楽しんで全力プレーができた」と気後れは全くなかった。内山孝起監督(36)も上甲に関して「まさか長打が出るとは思ってもいなかった。バッティングはできすぎです」と驚きを隠せなかった。

チームは投打がかみ合い初戦を突破。上甲は「捕手として勝てるキャッチャーを求めてきた。チームとして勝てたことがうれしい」と手応え十分の試合となった。