イチロー氏から怪物へ、サプライズが届いた。

今季限りで現役を引退した松坂大輔投手(41)の引退セレモニーが4日、西武のファン感イベントで開催された。最後のあいさつを終え、慣れ親しんだメットライフドームのグラウンドを1周すると大型画面に、イチロー氏が映し出された。画面越しにビデオメッセージが届くと「大輔、どんな言葉をかけていいのか、なかなか言葉が見つからないよ。だから僕にはこんなやり方しかできません。許せ、大輔」と一塁側ベンチからイチロー氏本人がサプライズで登場した。

驚きを隠せない様子のまま、花束を受け取る松坂は涙を流した。

数々の名勝負を演じてきた2人の再会だった。初対決はルーキーイヤーの99年5月6日、西武ドーム(現メットライフドーム)でのオリックス戦。その試合で3打席連続三振に打ち取り、18歳のルーキーは「自信が確信に変わりました」と名言を残した。一方で同年7月の再戦ではイチロー氏に通算100号弾を浴びた。レッドソックス移籍1年目の07年には、メジャー初対戦で初球は意表を突くカーブ。勝負に徹し、4打席無安打に抑えた。

日本代表としては06、09年、WBC2大会連続でともに戦い、世界一に輝いた。世界をまたにかけてきた“同志”のような2人。初対決から22年、最後のユニホーム姿をイチロー氏に見届けてもらった。万感の思いでフィナーレを飾り、怪物がユニホームを脱いだ。