「球児塾」から羽ばたく! 阪神ドラフト1位の高知・森木大智投手(18)が来春キャンプで藤川球児スペシャルアシスタント(SA)から金言を授かる。藤川SAは2年連続で1軍、2軍のキャンプに同行することが内定。ドラ1ルーキーは現状2軍スタートの可能性が高く、高知出身の大先輩から早速レジェンドエキスを吸収する。

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矢野監督は早くも「球児先生効果」に胸を躍らせていた。

「球児の口から聞くのと、他の人から聞くのとでは、また違う。プロでこれだけやった投手に話を聞いてもらえるのは、森木とかには本当に大きな財産になると思う」

現役時代からの盟友でもある藤川SAが来春も1、2軍キャンプに同行することが内定。ドラフト1位森木らにもたらす好影響を想像し、言葉を弾ませた。

森木にとって、藤川SAは高知出身の大先輩で「僕が野球を始めるきっかけを作ってくださった方」。入団会見では「今はもう超えていかなくちゃいけない存在」と言葉に力を込めた通り、とてつもなく大きな背中を追う存在だ。

藤川SAは今年2月も1、2軍キャンプで積極的に若虎をサポートしていた。

「心構えとか、どんな練習をどんな意識でしていたとか、そっちの方が大事になる。球児は投手だけど、打者にとってはどうかなという目線も持っている。1人でも多くの選手に声を掛けてもらえるだけでも違う。良い意味で球児を利用するというか、惜しみなくやってくれるタイプなので、そういう感じでいってもらえればいいかな」

指揮官の期待は膨らむばかりだ。

嶌村球団本部長は藤川SAの動きについて「昨年はまず1軍に行ってから2軍に行ってもらったと思う。普通はそういう感じになると思います」と説明した。ドラ1ルーキーは現状、育成優先で2軍キャンプスタートが濃厚。地元の高知で金言を授かる可能性が高い。

12月の体力測定では体成分分析装置「InBody(インボディ)」で外国人選手級のハイスコアをたたき出した最速154キロ右腕。サクセスロードの第1歩を、レジェンドの金言も胸に踏み出すことになりそうだ。【佐井陽介】

◆今春キャンプでの藤川SA 精力的に若手投手へ助言を送った。2月2日には四国IL・高知の後輩、石井大のブルペン投球をうなずきながら視察。斎藤には3日、地面に線を引きながら身ぶり手ぶりで40分、120球の密着指導を行った。シーズンに入ると、ともに中継ぎとして、石井大はデビューして18試合、斎藤は自己最多の19試合登板と結果を残した。