道産子の星、日本ハム伊藤大海投手(24)が、新年に「5大公約」を掲げた。昨季は開幕から先発ローテ入りし、球団では15年ぶりの新人10勝を達成。東京五輪では、侍ジャパンの一員として金メダル獲得にも貢献した。“2年目のジンクス”を破るために、誓った公約とは?【取材・構成=中島宙恵】

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【公約(1)誰よりも勝つ】

-今年の目標

伊藤 上沢さんに並べるくらいに勝ちたいなと。勝ちにこだわりすぎるのは良くないですけど、最終的にはチームで1番勝っていたい。誰よりも勝つ!

-そのために今オフ、体作りを重視。テーマは

伊藤 股関節周りも大切ですけど、より効率よくボールに力を伝えるために、体の連動性を重視しています。柔軟性は絶対必要。力の強弱をもっと付けたい。結果的にコントロールにも、長いイニングを投げることにもつながるはず。良い目標設定が出来ていると思う。

-ルーキーイヤーは先発枠を守って10勝。2年目への課題は

伊藤 普段、キャッチボールで投げすぎないことですね。試したいことがいっぱいあって、つい投げすぎてしまうんですけど、大事なのは本番。自制して、準備をしないと。去年、試合当日に投げすぎちゃったな~というのが何回かあった。もっと、うまく準備できる方法を見つけないと。

【公約(2)侍ジャパンの常連に】

-昨夏の東京五輪では、侍ジャパンに追加招集され、中継ぎで金メダル獲得に貢献。発見は

伊藤 皆さん、準備をしっかりするというのが共通していた。調子が悪い時の修正法だったり、自分自身を、よく理解している。1年目の僕と、何年もプロでやっている人の違いを感じた。

-新たに栗山前監督が侍ジャパンの監督になった。来年3月には第5回ワールド・ベースボール・クラシックが開催される予定。代表入りへの思いは

伊藤 自分の力で、栗山監督が必要だと思ってくれるような選手になりたい。この先、代表に選ばれ続けたいという思いはあります。

【公約(3)良き“次兄”として若手の手本に】

-今年は、どういう位置付けの選手になりたい

伊藤 2年目だけど年齢的には25歳になる。若い選手を引っ張っていかないといけない、真ん中の立場。周りを見られるようにしたい。

-自他共に認める「変わり者」だとか

伊藤 基本的に超マイペース。キャッチボールも絶対、皆がやっている時間にはやっていない。でも、周りに迷惑はかけないよう気を付けています。マイペースというか、我が強い。僕、河野に「独身貴族予備軍」って言われているんですよ(笑い)。人と時間を共有出来ていないから。自分でも、そんな気がしますけど…。

-しっかりしていそうで、道に迷ったり

伊藤 1人で歩くことが多いんですけど、目的地までは確かに遅い(笑い)。この間も、その日までにやらないといけない用事があって出掛けたのに、プラプラしているうちに結局、別の目的だけ達成して帰って来てしまいました…。

【公約(4)髪形は“ライオン丸”継続?】

-癖毛が個性的な髪形につながった。今年も継続する

伊藤 どうしましょ?(笑い) 伸ばしたいわけじゃないんですけどね(笑い)。短い方が楽ですし。あまり人がやらないことを、やろうかなと思って。手入れは結構、大変ですよ。

【公約(5)「お片付け」します】

-克服したいこと

伊藤 整理整頓が、かなり苦手です。使ったら、使いっぱなし。一角はきれいなのに、別の場所は汚い。テーブルの上に財布をきっちり置いたりするのに、化粧水のフタは開けっ放し(笑い)。けっこう使うんだけど、いざ使おうと思ったら、大切な物がない…みたいなことが結構あります。今年の目標、整理整頓!

◆伊藤の東京五輪VTR 五輪デビューは7月31日、1次リーグ第2戦のメキシコ戦。5-2の6回から2番手で登板し2イニングを1安打無失点。大学ジャパンでもともに戦った先発森下を好球宴した。8月4日の準決勝、韓国戦は2-2の7回から3番手で登板し2イニングを1安打無失点。8回に攻撃陣が勝ち越し、自身の五輪初勝利を挙げた。同7日の決勝、米国戦も1点リードの7回から3番手で登板。1回0/3を2安打無失点に抑え、日本の金メダルに貢献した。1球ごとにロジンをたっぷりつける「追いロジン」という言葉も生み出し、世界に存在を印象づけた。

◆プレゼント 伊藤の特大直筆サイン色紙を2人にプレゼントします。希望者は、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、紙面の感想を明記し、〒060・8521、北海道日刊スポーツ新聞社「伊藤大海正月プレゼント」係まで。10日必着。