市和歌山のドラフト1位コンビ、DeNA小園健太投手(18)とロッテ松川虎生(こう)捕手(18)が新春対談を行った。

中学時代の大阪・貝塚ヤングから6年間バッテリーを組み、気心を知り尽くした仲。後編ではバッテリーでの思い出が話題に。プロ初対決での初球は果たして!? 互いの活躍を誓い合った。【取材・構成=金子真仁、久保賢吾】

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史上初の同一高校のドラ1バッテリー。ところで投手・松川-捕手・小園でバッテリーを組んだ経験はあるのだろうか?

松川 中学の時にあります。でも僕が投手をやるとだいたい負けたので。

小園 虎生って大体タイブレークで投げて負けるんです。僕は最後の12月の大会のタイブレークで捕手をしました。133キロくらい出て速くて、フォークとか投げてきて、僕がショートバウンド捕れなくて。(サインは)直球しか出さないので打たれて(笑い)。でも全国大会の決勝の最後もお前、投げたんちゃう?

松川 うん。

記者 松川捕手が日本一の胴上げ投手に?

2人 そうです!

松川 でも僕が投手やると負けるので、投げたいとは思わなかったです…。

6年間の最高の1球を挙げてもらうことになった。

小園 僕は、あります。たぶん虎生とは違うと思いますけど…。

松川 僕はセンバツの県岐阜商戦で、二、三塁のピンチでの三振ですね。

小園 おおー。

松川 ピンチで苦しかったんですけど、打者もあの直球に本当に手が出なかったし、あれが最高の1球かなと思ってます。

小園 僕はセンバツの明豊戦で5回でリリーフで登板して、最後の打者を見逃し三振にしたアウトローの真っすぐです。

松川 覚えてます。

小園 1点負けていて、自分たちにいい流れを持ってこようと、テンポも速く自分のリズムで投げられて。最後は狙って取りにいって、しっかり三振を取れたのでベストボールです。

プロの舞台では、リーグは違えど、投手対打者での直接対決も訪れるだろう。その初球は?

小園 いや、僕は内緒でいきます。

記者 ではグーは直球、速い変化球はチョキ、緩い変化球はパーということで2人で一斉に。

小園 そんなんやったらバレるじゃないですか(笑い)。

記者 はい、せーの。

2人 グー!

小園 直球で抑えたいのが一番あるので。変わるかもしれないですけど。状況見ながらですね(笑い)。

松川 素晴らしい直球なので、それを1球で仕留めたいのはあります。

相棒の6年後は、それぞれどんな存在になっているだろうか?

小園 虎生は本当にいい捕手で、いい打者です。早いうちに1軍の戦力になれると思いますし、誰よりも練習する選手だと思うので、本当にいい捕手になれると思っています。

松川 うまく打者を見極めるし、分かっていても打てない直球を持っているので、球界を背負う投手になってるんじゃないかなと思っています。

小園 やっぱり、日本代表で2人でバッテリーを組むのも僕の夢です。

松川 何年後か、侍ジャパンで一緒に日の丸を背負ってバッテリーを組むのが、僕の夢でもあります。(6年後へつづく?)

◆市和歌山での戦績 小園、松川ともに1年春からベンチ入りし、甲子園には1度出場(3年春のセンバツ)した。松川は1年夏の県大会で「4番三塁」で出場。2年から捕手を務めた。小園がエース、松川が正捕手で迎えた2年秋は近畿大会で4強入りし、3年春のセンバツに出場。1回戦の県岐阜商戦は小園が4安打8奪三振の好投で1-0の完封勝利。2回戦の明豊戦は5回から小園が登板したが、7回に決勝点を奪われ1-2で惜敗した。松川は2試合連続でマルチ安打をマークした。3年夏は県大会決勝で甲子園Vの智弁和歌山に1-4で敗れた。

◆小園健太(こぞの・けんた)2003年(平15)4月9日、大阪・貝塚市生まれ。貝塚一中では貝塚ヤングに所属し、ロッテ松川らと全国制覇。市和歌山では1年春からベンチ入り。直球の最速は152キロ。DeNAでは三浦監督から背番号18を継承した。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。

◆松川虎生(まつかわ・こう)2003年(平15)10月20日、大阪・阪南市生まれ。鳥取東中では貝塚ヤングに所属し、DeNA小園らと全国制覇。高校通算43本塁打のパワーに、遠投110メートルの強肩も誇る。ロッテでの背番号は2。好物は焼き肉。178センチ、98キロ。右投げ右打ち。