阪神ドラフト2位鈴木勇斗投手(21=創価大)が故郷の「ゆるキャラ」とともにBIGになることを誓った。

兵庫・西宮市の球団施設「虎風荘」への入寮で持参したのは、鹿児島・日置市のマスコット「ひお吉くん」だ。「自分が活躍することによって盛り上げていきたいですし、ひお吉くんももっともっと有名にしたいなと思います」と力を込めた。

地元の吹上浜で産卵しているウミガメをモチーフに、同市で有名な戦国武将・島津家の守り神「白狐」がかぶとに備え付けられているキャラクター。持参したマスコットは、12月に日置市役所を表敬訪問した際に、永山由高市長(38)から直接手渡されたものだ。鈴木は「このキャラクターのように勇ましく戦っていって、偉大な人間になって、地元の日置に帰ろうと思います」と故郷に誓った。同市長は「鬼島津」の異名を持つほど戦上手だった武将・島津義弘をプロの世界に飛び込む左腕に重ねてプレゼントした。「どんなことがあっても日置市は応援しています。焦らず、腐らず、戦国時代で生き抜いた島津義弘のようにプロ野球界でも切り開いて欲しいです!」とエールを送った。

最速152キロを誇る鈴木は、左腕としては江夏豊以来、47年ぶりに背番号28をつける。「楽しみと不安といろいろな気持ちが混ざっていますけど、これからこの寮でまた成長できていけたらなと思います」と気合十分。

【関連記事】阪神タイガースニュース一覧

即戦力として期待され、春季キャンプは1軍スタートの方向。まずは新人合同自主トレでアピールする。「1軍で1年目から活躍したいという気持ちがあるので、1日1日自分に勝って、1軍スタートというのを達成できるように頑張っていきます」。プロの荒波をゆるキャラとともに乗り越え、故郷に錦を飾る。【三宅ひとみ】

◆ひお吉くん 15年に鹿児島県中央部にある日置市の発足10周年を記念して誕生した。本名は日置大吉。日本3大砂丘のひとつで日本一長い47キロメートルの砂丘・吹上浜で生まれた。やんちゃで明るく好奇心旺盛な性格。走ることが苦手という。

〈阪神の主な寅年ルーキー〉

◆渡辺博之(50年)いきなり11本塁打を放ち、別当薫ら主力が毎日(現ロッテ)に引き抜かれたチームを支えた。54年には打点王。

◆藤井栄治(62年)開幕戦に6番打者として先発するなど期待された。後に2軍監督やコーチなど、指導者としても手腕を発揮。

◆掛布雅之(74年)高卒新人の3本塁打は現在もドラフト入団球団最多。6位指名ながら42試合先発出場と、出番を勝ち取った。

◆遠山昭治(86年)ドラフト新人左腕8勝は、江夏12勝、伊藤将10勝に次ぎ球団3位。後に横手投げに転じ松井秀喜キラーに。

◆坪井智哉(98年)打率3割2分7厘は、2リーグ分立後のプロ野球新人最高。イチローばりの振り子打法で強烈な印象を残した。

◆秋山拓巳(10年)後半ローテ入りし4勝。9月12日ヤクルト戦の高卒新人完封は、ドラフト入団では江夏、遠山以来3人目。