関西学生野球の京大が8日、京都市内の同校グラウンドで始動し、今秋ドラフト候補の水口創太投手(3年=膳所)が意気込みを語った。この日はキャッチボールなどを行い、感触を確かめた。昨年10月3日同大戦で京大史上最速の152キロを計測。プロのスカウトがどよめく一幕があった。注目される1年を「リーグ優勝を目標にやっています。高い目標を、やるからにはそこを目指して」と気合だ。

超難関の京大医学部に在籍し、人間健康科学科で理学療法を研究する。筋肉の仕組みなども学んできた。194センチ、98キロと体格にも恵まれ、入学時は130キロ台後半だった球速は急上昇した。昨年9月4日の近大戦で149キロを計測。同大学によれば、最速だった田中英祐(元ロッテ)の148キロを更新したという。水口は「プロは目標で、こうして注目されてモチベーションになっている。行けるなら行きたい。何位でも行きたいです」と意気込んだ。

リーグでは昨年も春秋ともに最下位に甘んじたが、11月に助監督だった近田怜王氏(31)が新たに監督に就任した。08年ドラフト3位でソフトバンクに入団して元投手だった近田監督は水口を「あれだけの上背、体がある。伸びしろしかない。学生野球で、あれだけの角度で投げられる投手はいない」と評した。

京大野球部は1898年(明31)に創部され、草創期は旧制の中等学校や高等専門学校の全国大会や招待試合を企画。いわば、学生野球のパイオニアとして、リードしてきた。近田監督はナインに「優勝をしっかりとりに行くぞ」と伝え、バッテリー強化を掲げる。京滋大学野球に所属していた1968年(昭43)春に優勝しているが、関西学生野球(旧関西6大学含む)では、1939年(昭14)秋以来、83年ぶりの頂点を狙う。【酒井俊作】