阪神金村投手コーチが、中継ぎ転向3年目の岩貞祐太投手(30)に「セットアッパー奪取指令」を出した。

昨季は開幕から7回を任して12ホールドを挙げたが、中盤以降で失速して防御率4・66と振るわず。V争い佳境の10月以降を2軍で過ごした左腕に対し「セットアッパーを目指してほしい。昨年打たれたことで期するものはあるはず」と奮起を促した。

中継ぎ専門の左腕で1イニングを投げられるのは、「8回の男」岩崎と岩貞の2人しかいない。絶対的守護神だったスアレスが昨季限りで退団。来日時期が不透明の新助っ人カイル・ケラー投手(28=前パイレーツ)に加え、岩崎も守護神候補に挙がり、7、8回は現状で空白となっている。

昨季は早めの継投に備え、試合中のブルペンで2、3回肩を作ったことによる蓄積疲労が失速の要因の1つと同コーチは分析。「1イニングを任せた方が間違いなくシーズンでパフォーマンスが出る」。負担を軽減させる意味でも定位置獲得に期待を寄せる。

今オフの岩貞はソフトバンクなどで活躍した九州アジアリーグ火の国の馬原孝浩監督兼GM補佐(40)に弟子入り。この日も甲子園を訪れ「(プロで)一番ウエートトレーニングした」と肉体改造を振り返り、復活する延長12回制も視野に「勝ちパターンで投げるということしか頭にない」と強い覚悟をにじませた。【古財稜明】