ソフトバンク武田翔太投手(28)が、原点回帰で先発枠をつかむ。

自主トレ先の宮崎から戻り、25日から福岡・筑後市のファーム施設で練習を再開。この日はブルペンで約20球を投げ込み「カーブの軌道は変わってきた。いい感じですね」と手応えを明かした。

16年を最後に2桁勝利から遠ざかるが、昨年末に年俸9000万円増の4年総額6億円という大型契約を結んだ。球団の大きな期待に応えるためにも、復活にかける思いは強い。カギはやはり、代名詞カーブの“再生”だ。

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そのために、自己投資は惜しまない。昨季中に、ボールの回転数などを計測する約80万円の機器「ラプソード」を自腹で購入。自主トレなどで活用し「だいぶわかりやすくなった。回転数もそうですし、変わったというのがよくわかる」と、データをにらみながら球質改善に取り組んだ。

特にカーブについては、時計の短針になぞらえ「去年、一昨年は(投手側から見て、左下方向の)7時くらいに曲がっていたのが、今は(やや右下の)5時45分くらい。5時台に入ってきた」と独特の表現で説明。「自分のカーブが昔、なんで良かったのかと考えたら、結局そこに行き着いた」と明かした。カーブを自在に操り、新人時代に8勝。だが17年に右肩を痛めたことで真上から投げ下ろす腕の振りに変化が生じ、思うように変化しなくなっていた。その魔球がよみがえりつつあるようだ。

春季キャンプは若手中心のA組に入り、序盤からアピールを求められる立場。「若手ですから。気持ちは。若い子たちに、と言っても(自分も)若いですけど。負けないようにしたい」。球春へ、準備は整った。開幕ローテーション奪取へ、後は結果で示すだけだ。【山本大地】