DeNAのブルペンに、乾いた音が響き渡った。キャンプ初日から開幕投手候補の今永を始め、大貫、浜口、山崎ら10投手がブルペン入り。力のあるボールを投げ込む中、違和感を覚えた。各投手、コースは狙いながら、捕手への球種伝達はゼロ。力強い真っすぐだけが次々とミットに収まった。配布された練習メニュー表にその答えが記されていた。

【関連記事】DeNAニュース一覧

昨季は最下位に沈み、スローガンに「横浜反撃」を掲げる今季、キャンプ初日から改革に着手した。昨年はなかった「キャンプ1DAYテーマ」をポジションごとに設定。投手の欄には「【ストレートのみ】枠内で勝負する意識を持ち、再現性&修正力を身につける」と記載された。第1クール3日間継続する予定で、全投手が直球のみを投げ込む。

明確な目的を持ち、実行された。今キャンプを通じ、80%以上の確率で投手有利のカウントを作ることをテーマに設定。その実現に向け、三浦監督は「どのタイプの投手でも直球があっての変化球。まずは直球をしっかりと作り上げてもらいたいという意図」と説明した。ストライクゾーンで勝負する上で必須となる直球の向上を求めた。

同じ球種を続けることによって、再現性の高さと修正力アップへと結び付ける。今永は「1球単位で修正できる投手がレベルの高い投手。それができればおのずとストライク率も上がる」と、首脳陣の意図を完璧に理解した。「去年良ければいいですけど、何かを変えていかないと」と指揮官。反撃に向けた“番長の改革”が始まった。【久保賢吾】

▽DeNA斎藤チーフ投手コーチ(全球直球のブルペン投球で期待する効果に)「ストライクゾーンで打者と勝負できる投手になってほしいので、その意識付けですよね。どんなにいい変化球を持っている投手でもストレートというものが軸になるのは当然なので」