大学でプロ野球から支配下選手指名を受けることを目指す。関東一(東京)の最速152キロ右腕・市川祐投手(3年)が13日、東都大学野球リーグの日大に入寮。新生活をスタートし、心境を語った。「まだ、慣れていなくて。ソワソワした感じです」と、緊張した表情を見せた。

昨夏、東東京大会決勝で敗戦後も、関東一の寮で生活しながら、毎日練習を続けてきた。昨年12月に退寮すると「もっとしなやかな強さが欲しい」と週に2~3回、初動負荷のトレーニングを導入。

「もともと体が硬く、疲労がたまりやすかった。体が柔らかく使えるようになれば、疲労はもちろん、真っすぐの強さや、変化球のキレもよくなると思う」と期待。まだ、本格的な投球は行っていないが、「可動域が上がり、肩の動きがよくなっている。軽く投げてもいい球がいきそうで楽しみです」と、ブルペンを心待ちにしている。

昨秋は、プロ志望届を提出するも、指名漏れ。1年夏に甲子園を経験し、2年秋のブロック予選ではノーヒットノーランを記録。ドラフト候補として注目を浴びたが、2年冬からフォームを崩し、3年春は調子を戻すことができず苦戦した。

悔しさを糧にする。昨秋のドラフト、指名漏れに「悔しかった」と振り返るが、米沢貴光監督に「アピールするのが遅かったかな。でも、まだ目指すチャンスはあるんだ。4年後だぞ」と声をかけられ、前を向いた。「4年度、支配下選手としてプロへ。そのために、大学でもしっかり結果を残していきたい」と誓った。

もうひとつ上のレベルを目指す。「自分には、これ、という武器が足りなかった」と、自身の投球を見直した。「大学では、もっと伸びのある真っすぐや、速球。これ、という変化球を身につけたい」と、課題は明白。「もっとレベルアップして、4年後のドラフト。そして、チームの優勝に貢献したい」。市川の新たな挑戦が始まった。【保坂淑子】