“ルーキーズ”で勝っちゃった! 日本ハムは5日、巨人とのオープン戦(札幌ドーム)で、上位打線に4人の新人を並べるびっくりオーダーで臨み3-0で勝利。

1-0の8回1死二、三塁では、3番に入ったドラフト3位水野達稀内野手(21=JR四国)が、新庄剛志監督(50)による「エンドラン」の奇策を見事に成功させ、追加点となる2点適時打を放った。チームはオープン戦5試合目で、首位に並んだ。

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奇襲のサインに心はざわめきながらも、完璧に対処した。日本ハムの3番水野は、8回1死二、三塁で、巨人直江の初球を流し打った。ボールゾーンから外角いっぱいに入る、難しいスライダーだった。投球に合わせて、三走の宇佐見も本塁へ向けスタート。三塁線で跳ねた打球は、左前に転がり、追加点の2点適時打となった。

水野 本当にエンドランなのかな?と。一応、準備はしていたんですけど、いざ出るとびっくりしてしまった。自分を疑いましたね。

「スクイズのサインぐらいは出るかな」と考えたルーキーの読みを、BIGBOSSは軽々と超えてきた。空振りすれば三走はアウトになる可能性が高く、チャンスの芽はしぼむ。この状況でのエンドランに、水野は「軟式野球をやっていた中学時代に、あったかどうかぐらい。高校ではなかった」と驚きながらも「エンドランは来た球を全部、振っていいので、そういう意味ではありがたいサイン。ボール球でも振る準備はしていたので、うまくあのコースにもバットを出せた」と、うなずいた。

新庄監督はこの日、斬新なオーダーで球界の盟主に挑んだ。1~4番までに、故障者を除く新人野手4人全員をスタメン起用。相手先発は巨人のエース菅野だったが「いい経験じゃない?」とし「緊迫した場面でプレーするって、めちゃくちゃ成長すると思う」と、強敵と向き合うことで起きる“化学反応”を楽しみにしていた。その新人たちは1回、菅野から2番有薗と水野が連続長短打。2安打2打点の水野はオープン戦打率4割超で、開幕切符も夢ではなくなってきた。

いつの間にか、両リーグワーストのチーム打率1割6分でオープン戦首位タイに。防御率1・40は12球団トップ。BIGBOSSの目指す野球が、しっかりと形になっている。【中島宙恵】