ホームランアーチストらしい、完璧な放物線を描いた。西武山川穂高内野手(30)がオープン戦1号の本塁打を放った。

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4回1死。初球の真ん中低めスライダー。それを一振りで仕留めた。両手の残る感触でアーチを確信し、悠然と歩を進めた。打球は気温約7度の横浜の寒空を切り裂き、左中間スタンドの中段まで届いた。

完璧な1発だったが「普通」と言うのは、強い手応えが詰まるからだ。前の3試合はヒットがなかった。ただ好調だから、結果にも一喜一憂しない。

打席では一切の迷いがない。「練習の内容がいい。そこで手応えがある」。この時期は例年、打席の中での試行錯誤、微妙な変化をすることもある。今年は不動の構えを貫く。「自主トレから何一つ変わっていない」と言葉に自信がこもる。第3打席でも初球を捉え、強烈な左前打を放った。

この2年は右足首に不安があり、2年連続24本塁打止まりだった。復活への強い手応えの根拠であり、今季から打席で新たに意識する「お尻のはまり」を作るルーティンがある。ネクストバッターサークルでは片足でケンケン。「お尻にはめることを一番大事にしている。お尻にハメる、打席の中で一発で入るようにネクストでやっている。あれはシーズンを通して最後までやっていきたい」と、その意図を説明する。

理想のフォームでスイングできる。それを作り出す準備の過程にも根拠が宿る。「オープン戦は正直、逆に打ちすぎる方が怖い気がする。ほどほどで、シーズンに入ってからバカ打ちしたいと思います」。頼もしい4番として、どっしり構える。【上田悠太】

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