阪神佐藤輝明内野手(23)がオープン戦2試合連発となる2号3ランを放った。2回にソフトバンク松本から中堅左のホームランテラス席へ。マルチ安打を含めて全5打席出塁し、打率と打点はともにリーグトップだ。昨年出場した12試合に並び、得点圏打率は1割4分3厘から5割と勝負強さを増している。開幕に向けて頼れる4番打者に仕上がってきた。チームは引き分けを挟んで5連勝、ここ8戦無敗でオープン戦3位に浮上した。

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佐藤輝は狙っていた。初回に4点を奪い、2回も2つの四球で1死一、二塁。制球に苦しむ右腕松本の初球だ。低めの148キロ直球を振り抜くと、打球は佐藤直がジャンプしたグラブの上、中堅左のホームランテラス席に飛び込んだ。

「逆らわずにしっかり反応して、芯で捉えられた。結果としてホームランってなるとノッていけると思う。良い感じじゃないかな」

オープン戦1号を放った前日15日に続き、ベンチ前での恒例の「Zポーズ」は封印。まだ本番じゃない。それでもシーズンでの爆発を予感させる、手応え十分の1発だった。

開幕へ向けて、限りなく本番モードに切り替わってきた。3月に入り甲子園で8戦31打席ノーアーチの後、福岡に乗り込んで2戦2発。3四球に加え6回には右翼への単打を放ち、前の試合から8打席連続出塁とアウトにすらならない。得点圏打率は5割。オープン戦12試合を終え9打点、打率3割5分9厘はともにリーグトップと文句なしだ。「球はしっかり見えている。今、いい状態かなと思います」と力強い。

試合前には糸井を交え、ソフトバンク柳田にあいさつ。会話の中身は「言えないですね、秘密で!」と笑顔で逃げたが、尊敬する先輩との談笑で刺激が入ったはずだ。今オフには、過去に自主トレをともにした糸井、柳田、オリックス吉田正で形成される球界の「超人軍団」に加入。その中でも最年少23歳が、軍団の名に恥じないパワーを発揮した。

矢野監督も「内容がしっかりしている。レベルが上がったなっていう感じがある」とたたえた。18日からはオープン戦最後のオリックス3連戦。背番号8は「開幕戦も京セラですし、良い準備ができたら」と総仕上げに入る。【中野椋】

▼阪神佐藤輝明は昨季のオープン戦全出場試合数と同じ12試合に出場したが、打撃内容には大きな変化が見られる。特筆すべきは得点圏打率の大幅な向上で、今季は12打席に立ち、6打数3安打の5割。打数に入れない6打席は、4四球に2犠飛と堅実にチームに貢献している。昨年オープン戦得点圏での14打数2安打、打率1割4分3厘からは雲泥の差だ。また今季の全三振数はわずか5で、昨年の14から激減。四球は2から8へ4倍に増えるなど、粗さの目立った昨年の佐藤輝とはまるで別人だ。

 

▽阪神育成岩田(7回に2番手で登板し、2死一塁から柳田を併殺に仕留めて1回無失点)「地元福岡で投げることができてうれしかった。柳田さんという偉大な打者を抑えることができたので良かった」

▽阪神湯浅(9回に登板し、2奪三振の3人斬りで1セーブ目)「ストライク先行で投げることができたし、しっかりと自分のやるべきことができた」