投手王国が完成しつつある。楽天が巨人を2-1で下し、1試合を残して球団初のオープン戦1位を決めた。

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石井一久GM兼監督(48)は「ポジションを取るんだという姿勢が見えた結果」と言った。支えたのは投手陣。ここまで12球団最少の31失点、チーム防御率2・03と強さを見せた。

激しい競争が相乗効果を生んだ。キャンプ中、指揮官は「ベテランだろうが若手だろうが、今年に関しては名前での勝負はさせない」と宣言。状態が良い選手は積極的にアピールの場を与えた。昨季10勝を挙げた滝中は「自分の立場が確約されているわけではない。みんなで殴り合いして取っていかないと。大乱闘ですよ」。開幕へ向け、チーム全体に緊張感が張り詰める中で進んできた。この日、2番手で2/3回を無失点だった5年目左腕の渡辺佑は、計5試合で防御率1・93。17年ドラフト4位指名から育成契約となり、活路を見いだすためにサイドスローへ変更した男は、競争を勝ち抜き、貴重な左の中継ぎとして地位を築き始めた。

25日の開幕が目前。リリーフは「今のメンバーでいこうとは思っている」と固まった。ドラフト6位西垣雅矢投手(22=早大)や、19日に支配下登録を勝ち取った小峯、6年目の藤平ら若手が多く名を連ねる。先発ローテ最後の1枠も2年目高田孝が決定的。石井GM兼監督は「与えられた仕事をするのは実績があってもなくても関係ない。みんないいボールを持っている」と自信を持つ。21日のオープン戦最終戦は田中将が先発予定。9年ぶりのリーグ優勝と日本一獲りへ、最後の準備を整える。【湯本勝大】

▽楽天マルモレホス(来日4試合目で初安打)「フィジカル的には全く問題ない。日本の投手がどのような球を投げるか。配球の部分、タイミングをアジャストしている途中の段階。そこをしっかり調整していけば、いいかなと思う」