快足ルーキーが2年ぶり延長戦での勝利をもたらした。立役者はドラフト4位の野村勇内野手(25)。

【ニッカン式スコア】29日のロッテ-ソフトバンク戦詳細スコア

同点の10回に代走で出場し、安打なしで本塁までかえってきた。若きいだてんは「期待に応えられた。仕事ができたかなと思います」。藤本博史監督(58)も「野村勇の走塁は見事やったね」と絶賛する走塁で、2年連続の開幕4連勝をもぎ取った。

緊迫した場面でも冷静だった。「ずっと準備していた。あの場面も、あるぞと言われていたので。準備はできていました。緊張はしていたけど、なんとか体が動いてくれた」。同点の10回、先頭の中村晃が安打で出塁するとすぐに代走のコールがかかった。次打者ガルビスの3球目で二盗を決めると、中飛で三塁へ。1死三塁の絶好機を演出した。

続く打者、今宮の三塁右へのゴロで、野村勇は「バットに当たればゴー」のギャンブルスタート。「微妙やったんですけど、捕手の体勢を見ていけそうだなと思いました」と頭から滑り込み、タッチをかいくぐって生還した。打った今宮も「勇の足がすごかった。あれでセーフになるというのはすごい」と目を丸くするスピードだった。

キャンプ終盤に右腕の張りで出遅れたが、オープン戦で2本塁打するなど開幕1軍をつかんだ。ここまで出場はこの日を含めて代走で2試合のみだが、藤本監督は「打つ方も状態悪くないんで、どこかで使ってあげたい」と先発起用にも含みを持たせた。【山本大地】