阪神大学野球春季リーグが9日、大阪・南港中央野球場で開幕した。3季連続Vを狙う天理大が神戸国際大を5-0で下し、白星発進。プロ注目の友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南)は3安打猛打賞をマークした。巨人の守護神・大勢を輩出した関西国際大は延長11回タイブレークの末に大産大に敗れた。甲南大は大体大との接戦を制した。

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3連覇達成に燃える天理大は白星発進にも満足しなかった。6回まで3度の先制機を逃し、ホームが遠かった。バント失敗や三塁憤死もあり、重苦しい試合展開だった。局面が変わったのは、相手のミスからだった。7回2死一、二塁で下林源太(2年=天理)の捕手への飛球を相手が落球。これが適時失策となり、一気に2者が生還。ここから打線が目覚めた。3番友杉の中前適時打などで一挙5得点。試合を決めた。

友杉は昨秋にリーグ2位の打率4割4分2厘をマークし、今秋のドラフト候補だ。3安打の好発進にも「手応えはよくなかった」と納得しない。「今日のような試合では優勝はできない。ミスを全員で反省して試合ごとに修正していきたい」と気持ちを引き締めた。

投げては先発の真城翔大(3年=高知商)は「ピンチが2、3度あって反省点は多い」としながらも7回無失点の力投で応えた。藤原忠理監督(56)は「やはり開幕ゲームは難しい。先発の真城がゼロに抑えてくれたのが大きなご褒美。1勝1勝と考えていくチーム。この勝ちが取れたということでまずは安堵(あんど)してます」と話した。次戦は地に足がつけ、王者の野球を見せる。

○…関西国際大は延長11回タイブレークで敗れたが、エース左腕・不後祐将(3年=中京学院大中京)が10回2/3を148球の熱投を見せた。4失点で敗戦投手になったが、10回まで散発5安打2失点と上々の内容だった。「調子はよくなかったけど、要所で抑えられたのは収穫」と振り返った。2学年先輩で巨人の新守護神となった大勢から「頑張れよ!」とLINEで応援メッセージがあったという。「励みになってます。先輩が頑張っておられるから、僕も頑張っていきたい」と次回登板での雪辱に燃えていた。