ここから上昇の軌跡を描く。広島の新外国人ライアン・マクブルーム内野手(30)が開幕から約1カ月を終え、ここまでの戦いを振り返った。前カードのDeNA戦(マツダスタジアム)を終え、セ5球団と対戦した。昨季はロイヤルズ3Aで32本を放った長距離砲はここまで21試合で2本。本塁打数については「増えてくると思う」と一定の手応えを感じている。広島の4番が今後の成績上昇へ、ビジョンを語った。

【関連記事】広島ニュース一覧

マクブルームは今季、デビュー戦を除く20試合で4番に入った。「4番というのは責任のあるポジションだと思う。それは米国でもリトルリーグでも同じ」。打線の軸として、重責を担いながら、2本塁打で10打点。「間違いなく、(本塁打の数は)増えると思う。ただ、本塁打にとらわれることなく、チームの勝利が一番重要。そこに貢献できるように」。チームの勝利とともに、自らの成績向上を誓った。

セ5球団と対戦し、シーズンを1カ月戦った経験の蓄積が上昇への根拠だ。「あまり投手のことを知っていないから対戦する投手がどんどんストライクで攻めてくるのか、変化球でかわしてくるのかが分からない」と、異国の野球への対応に苦慮したが、見えてきたものもあった。「来日当初は分からない点が多かったが、(打者)有利なカウントで1球で仕留める。そこは米国と変わらない。(打席でのアプローチも)大きく変えることはない」。メジャー時代の心構えを貫くことが、結果につながると信じている。

「良い意味で…」とマクブルームが裏切られたのは球場の“熱”だった。「自分が想像していたより日本のファンは熱狂的だった」。今季は本拠地11試合に、平均して約2万6000人が足を運んでいる。連日浴びる拍手や歓声に心を熱くした。「とにかく野球が好きな国民だなと感じている。熱狂的なファンたちだから喜ばせたいね」と決意を新たにした。

「(本塁打は)増えるか増えないかで言うと、増えてくると思う」。チームは貯金6で2位につける。アーチ量産を宣言したマクブルームが首位浮上の原動力になる。【前山慎治】